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チェコの鬼才、ヤン・シュヴァンクマイエル

チェコのシュールレアリスト芸術家・アニメーション映像作家で有名なヤン・シュヴァンクマイエルは、私のとても好きな映画監督の一人です。私の場合、映像を哲学を通して説いていくクラスの中で、ヤンの『ジャバウォーキー』を知ったのが始めだったと記憶しています。御存知、「鏡の国のアリス」に出てくるジャバウォーキーですが、のちに長編としての『アリス』が発表され観てみると、大変度肝を抜かれたものです。私は、以前にもこのシネマエステサロンのブログ内で「不思議の国のアリス」について書いたほど、アリスの原作が好きなので、彼の映像表現には圧倒されたのを覚えています。それ以上に、ヤンの短篇集時代が好きで、観るたびに心踊ったことが今でも忘れられません。シュールレアリストで、ヤンの最愛の妻であったエヴァ・マイエロヴァーの影響は凄まじいもので、彼女が美術を担当した作品を観れば、エヴァの世界観が一目瞭然。『ルナシー』がエヴァの関わった最後の作品となった今、現在上映中の『サヴァイヴィングライフ―夢は第二の人生―』の作風は、近年のものと違ってみえます。エヴァの画は戦闘的とよく言われますが、この新作はヤンお得意のコラージュが主になっていました。そういえば、1975年にヤンとエヴァとの間に生まれた息子、ヴァーツラフのシュールな作風は、エヴァの方に、そしてヤンを敬愛するクエイ兄弟の作風にも似ています。ヴァーツラフの『The Torchbearer』という作品を観ましたが、最後まで目が離せない内容の質の高さにすでに驚嘆してしまいました。彼の絵画に通じるような、ダークな映像の雰囲気、ヤンのものとはまた違く、味があります。もっと観てみたいです。

縮ーアリスDVD2 時計付―縦 色濃い版 

- Photo by Koko

新作『サヴァイヴィングライフ―夢は第二の人生―』は、妻がいながら夢に現れた女性に魅了され、夢の中に生きようとする中年ユージンの物語。私が鑑賞前に考えていたのは、あの夢に見る女性役はエヴァのことを示しているのだろうということ。哲学者フロイトの“夢”判断からか勝手に推理してしまいました。しかし、ストーリーが進むにつれ、主人公の“Unconsciousness―無意識”な部分が解明されていき、赤く血で染まったお風呂に浸かった彼女に向かって主人公が「◯◯~」(→ネタバレ禁止したいため劇場にてお確かめ下さい)と叫ぶところで、私はホロリと泣いてしまいました。私は以前より哲学に興味があるので、フロイトやユングのいう専門用語を知っていたからこそ流れに集中できたことはおおきかったです。リビドーとかアニマとか字幕にでてくるので、皆さん学んでおくとよいかと思います。キーラ・ナイトレイ主演『A Dangrous Method』など直接的にフロイト等を説明している映画だけでなく、映画を観る際にはおのずと役に立つ哲学的思考はいっぱいあります。ユングなんて、無意識を“集団”にまで発展させ、ヒトラーやマルクスなどにつなげていくのですから、我々の社会背景にも遠からず繋がってくるところがあるのです。ただ楽しく映画を観るのもいいですが、見方を知らないととんでもない解釈に繋がりかねないシュールレアリスト達の作品をちゃんと理解してあげたいものです。エンターテインメント性の強い、娯楽映画にだって根底にはちゃんと制作する際のルールがあるものですし。観る側が読み解いていく参加型映画もあるということを忘れないで下さい。

現在、新宿K‘s cinemaにて『サヴァイヴィングライフ―夢は第二の人生―』公開記念、
「ヤン・シュヴァンクマイエル傑作選」もおこなってますので、シュヴァンクマイエルの過去の映像作品をもっと知りたい方、是非足を運んで下さい!

更には、その新作映画を記念しまして、ヤンが来日し、展覧会までも開催されてるんですよ!9月19日まで原宿ラフォーレにて「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 ~映画とその周辺~」です!

記憶とは本当に不思議なもので、幼い頃の体験は、幼いがゆえに見えていた無垢な世界だったのかもしれないとよく思うことがあります。私自身、夢と現実の間の出来事というか、とても不思議な体験をいくつかしています。3歳の頃は男子2人を誘い、全員なんと三輪車にまたがり森に冒険に行ったことがありました。森は大人からみると近所の林だったらしいですが、私達3人は行方不明とされ、近所中が捜索を開始したとのちにききました。運良く道路脇のブッシュで見つけられた私達は、“森”の中で、カレー屋を営むインド人と会話をしてきたという記憶しかありませんでした。もちろん詳しいことは覚えていませんが、あの頃、外国人のガの字もない時代でしたので、あまりに不可思議な体験です。4歳になると幼稚園の計らいで、ドイツから赤い頭巾をかぶった女の子が来るというイベントがあり、金髪碧眼の13枚重ねの民族衣装を着ているという赤ずきんちゃんに会った記憶があります。童話と現実が入り乱れます。8歳の頃は、風変わりな店名を持つステーキハウスを経営していた一家の娘さんと仲良くなり、その煙突のあるレンガ作りのレストランでクリスマスパーティをしました。その際レストランの1階から2階をつなぐ、食べ物の配膳のためのエレベーターについては、幼い頃の私にとってかなり不思議な記憶となって残っています。例えるならまるで、ヴェラ・ヒティロヴァーの『ひなぎく』に出てくる2人のマリーが配膳エレベーターで遊んでいる風景といったらよいでしょうか…。それとも、『地下鉄のザジ』といった感じ…。そんな中、その娘さんが親から渡されたプレゼントに相当な衝撃を受けたのを覚えています。そう、大きな木彫りの操り人形だったのです。目が笑っていなく、少し不気味で、絡むほどの糸が体中から出ていたお人形でした。あの出会いは忘れられないですね。私の親が「ひょっこりひょうたん島」のファンだったという遺伝子問題だけでなく、私がシュヴァンクマイエルを好きな原点は、人形劇にあったのかもしれません。ヤンの短篇を観た際に、私の“無意識”部分がリンクしたのでしょう。

展覧会では、絵画、オブジェ、コラージュ、版画など、200点以上の作品を展示していて、ヤンとエヴァの自画像から始まります。まさにアルチンボルドの世界で素敵でした。エヴァがとても愛されてることがわかり本当に感激しました。私が選ぶお薦めは、「静粛」というタイトルの画。短篇の『会話の可能性』の一場面を思い起こさせるようでした。かなり目を引く面白いものもあり、オーガズムを感じる過程をメカニック化した画がまるで科学実験図のようにも見え、ヤンの頭の中の非凡さを痛感した傑作でした。

不思議と惹かれる彼のシュールな世界には、他のシュールレアリストを彷彿させる場面がよくあります。ルネ・マグリット、サルバトーレ・ダリ、マックス・エルンスト、マン・レイ、など尽きませんが、シュールレアリストグループ創始者である、ヤンの教祖的人物と題されるヴラチスラフ・エフェンペンゲル(Vratislav Effenberger)の影響は多大なようです。

江戸川乱歩の「人間椅子」や、「不思議の国/鏡の国のアリス」の両原作本の挿絵に挑戦していたヤン。今度はラフカディオ・ハーン著「怪談」を表現したということで、コラージュ化した日本の妖怪の世界までもご覧いただけます。
新作『サヴァイヴィングライフ―夢は第二の人生―』の冒頭でも、夢と現(うつつ)の境がないような映画を撮ってみたかったと言及してましたが、ふと、江戸川乱歩がよく残した言葉を思い出しました。
「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」
「晝(ひる)は夢 夜(よ)ぞ現(うつつ)」
うむ、まことに考え深し。

縮ー3チラシ 
photo by Koko

☆『サヴァイヴィングライフ―夢は第二の人生―』
  監督・脚本:ヤン・シュヴァンクマイエル
  2010年/チェコ/カラー/108分

  8/27(土)よりイメージフォーラムにてロードショー
  www.imageforum.co.jp

  第67回ヴェネチア国際映画祭正式出品作品

☆「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展~映画とその周辺~」
  8/20(土)~9/19(月)ラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6F)
  http://www.svankmajerjp.com/

☆「ヤン・シュヴァンクマイエル傑作選」
  9/3(土)~9/16(金)新宿K's cinema
  www.ks-cinema.com

フランス映画祭 リュック・ベッソン団長来日記者会見! そして、オープニングセレモニー!

いよいよ始まりました今年のフランス映画祭!

記者会見には、主宰のユニフランス代表であるレジーヌ・アッチョンドさんと、今年の団長、われらがリュック・ベッソン監督にいらして頂きました!祝!

resized 2人―ベッソンとアッチョンド Photo by KOKO

アッチョンドさんのご挨拶によりますと、
日本でのフランス映画祭開催は、ちょうど震災後すぐのことでしたので、フランス映画は暗いといわれがちですが、今回はコメディーを多めにセレクトしましたとおっしゃっていました。

我々日本人からすると、そこまで考えて下さったなんて…泣き。やはり映画の上映には、社会全体の好みだけでなく、社会情勢などいろいろな面が反映されているものなのですね。震災後にも関わらず、よくぞ開催までこぎつけて下さったと感謝したい気持ちでいっぱいです。来日して下さった皆様にも感謝この上ないですね。

まーしかし、ベッソン監督はほんとにお話がお上手で楽しい方ですね。必ず笑う箇所を忘れていないというか、あっぱれです。記者会見では…

resized-ベッソンアップ Photo by KOKO


「本当に苦しい時、厳しい時には真の友人がわかるという格言があります。今回の来日の理由には、日本への友情を示したかったからです。あの大変な災害時に、日本の皆様はすばらしい落ち着き、冷静さを世界に見せて下さいました。世界中に深い感銘を与えたことでしょう。もしフランスで同じことが起きたなら、世紀のパニックになっていたことでしょう。冷静さを失い、お互いがトマトなどを投げ合う状況になるのではないでしょうか。」

フランスは、75パーセント以上を原発に頼っている国というのは事実です。最近でも、フランス人の原発反対デモのニュース映像を目にしたことがあります。そんなフランスからの生の声として、私は監督の発言にしっかり耳を傾けていました。

「フランスでもそのような事故が起きなければよいがと祈るばかりですが、実は残念ながら、数年後かには何かが起こるのではないかと危惧しています。もしそうなれば、日本人が見せてくれた冷静さを示したいと思います。素晴らしい教訓をありがとう。」

フランス映画祭を開催することで、少しでも日本の皆様に元気をあげられたらと願う、アッチョンドさんとベッソン団長。本当に映画のヒーリング力は大きいですからね。

さて、同じく23日、有楽町朝日ホールでおこなわれた、フランス映画祭オープニングセレモニーでは、多くの監督や関係者が来日し、満員の会場が湧きました。駐日フランス大使であるフィリップ・フォールさんもいらして下さいました。

resized-フランスFFオープニングセレモニー全員集合 Photo by KOKO
↓右から、『匿名レンアイ相談所』のジャン=ピエール・アメリス監督、『Chantrapas(原題)』のオタール・イオセリアーニ監督、『セヴァンの地球のなおし方』のジャン=ポール・ジョー監督、リュック・ベッソン団長、主宰ユニフランス代表レジーヌ・アッチョンド、『消えたシモン・ヴェルネール』主演俳優のジュール・ペリシエさん、短編作品『ピアノ調律師』のオリヴィエ・トレイナー監督、『美しき棘』のレベッカ・ズロトヴスキ監督と、共同脚本のクリストフ・ムラさん


アメリス監督、イオセリアーニ監督、そしてジャン=ポール・ジョー監督、お三方はそれぞれ日本の大震災についてのお悔やみの言葉と日本人の冷静な対応についての賞賛を表して下さいました。特にジャン=ポール・ジョー監督は、“原発絶対反対”と日本語で書かれたハチマキを頭に巻き、大きくアピールをしていました。

resized-ジャン=ポール・ジョー監督 Photo by KOKO

「日本が大好きです。初めてみた日本映画は、黒澤明監督作品でした。今大変な時期ですけど、地震、津波、福島発電所、様々な不幸なことが起きた皆さんを支援していきたいです。実は今回来日してすぐに福島に行きました。その後、山口県の祝島というところに行きました。祝島では、30年前から日本の原発に反対している日本女性たちに出会いました。東京に戻った後、取材を受ける際には必ずこのハチマキをしています。福島で亡くなった方々へのお悔やみと、そこで被災された方々の素晴らしい連帯感を表そうと思っています。そして祝島で出会った女性たちを支持する気持ちも表しています。」

素晴らしい勇気を持った監督ですね。彼が監督する『セヴァンの地球のなおし方』も大変興味深い作品です。環境問題を扱った作品ですが、絶望ではなく希望を描いているドキュメンタリーです。あなたは覚えているでしょうか?1992年、リオデジャネイロでの地球サミットで、セヴァン・スズキという12歳の少女が、ものすごい衝撃的なスピーチで環境破壊をとめるように大人たちに訴えたことを!「どうやってなおすかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください。」あの堂々たるスピーチは伝説に他ならない。あの少女がもう、母親になるんです。月日が経つのは早い。しかもちゃんと環境問題を扱う職業に就いている彼女。世代を超えて、地球について考える義務が我々にはありますね。

『消えたシモン・ヴェルネール』主演のジュール・ペリシエは、
「個性豊かな日本においてこの映画を紹介できることに感謝いたします。」と代表としての挨拶をしっかりしてくれました。目が合った際にニコッと微笑んでみたら、あのディカプリオに似た顔で、美しく色気のある微笑みを返してくれました。作品は、あのガス・ヴァン・サント風というから期待してしまいます。

resized-ジュール・ペリシエ
ジュール・ペリシエ Photo by KOKO

そして…待ってました、オリヴィエ・トレイナー監督!私はどうしてもこの監督の『ピアノ調律師』を観た時の衝撃が忘れられなく、今か今かと監督が登場するのを待っていました。とっても長身の彼。来日してまだ24時間しかたってないというのに、すでに次回作での来日がいつになるのかと考えを巡らせてるところが職人だなあと思いました。是非、これからどんどん有名になっていって下さいね!応援します。

resized オリヴィエ・トレイナー.
オリヴィエ・トレイナー監督 Photo by KOKO

お次は、『美しき棘』のレベッカ・ズロトヴスキ監督と、共同脚本のクリストフ・ムラさんです。監督が美しいと評判で、口コミで広がってきたほどです。服装もとてもフランスっぽく、赤いルージュが記憶に残る、おしゃれさんでした。ベッソン監督も述べてましたが、フランスでは今、若い女性監督が増えてるとか。そう、『トムボーイ』のセリーヌ・シアマ監督も女性でして、今回は2作品目もそうですが、1作品目の『水の中のつぼみ』から見てもおわかりのように、シアマ監督は自らをレズビアンとカミングアウトしています。だからこそ描ける世界がある。描くのが大変難しい微妙な感覚を表すことに成功している。こちらも活躍していって欲しいですね。

resized-レベッカ・ズロトヴスキ監督とクリストフ・ムラ
脚本のクリストフ・ムラさんと、レベッカ・ズロトヴスキ監督  Photo by KOKO

オープニングセレモニーでは挨拶程度で終わってしまいましたが、『美しき棘』のQ&Aセッションでは多くのことを語っていました。クリストフが追加助言するのをなんどとみましたが、彼もとても良いことを追加で述べてくれ、作品の奥深さを知ることができました。日本人にはわからない、フランス人独特の感覚を説明してくれて、とても興味深かったですね。ズロトブスキ監督の好みの作品の取り方がわかった気がしました。次回作の原発に関する作品もとても興味あります。さすが脚本学校にいただけに、物事の考え方が面白い監督です。

ラストはもう一度、リュック・ベッソン監督の登場です。やはり話にオチがついていて面白かった。場を湧かせる天才ですね。

舞台挨拶では、自分の作品がオープニング作品だということを忘れていたというオトボケな一面も。とっさに作品紹介をする姿は可愛らしかった。

その『アーサー3』の紹介も、記者会見の時にはこう言っていた。

「アーサー3は、12歳以上の人には見せては行けないものですので、大人が見る際は、子供たちの許可をもらって下さい。大人がみても楽しい作品ですよ。エコロジーもテーマになってます。これから地球を受け継ぐ子供たちに正しいメッセージを伝えるのは大切なことです。ところが直接自分の子供を諭そうとしても聴いてもらえないのですが、アーサーに私の大切なメッセージを託して子供たちに言ってもらうと、不思議なことに素直にきいてくれるのです。アーサーは3部作で今回が最後の作品ですが、非常に楽しい作品で、10年の歳月をかけた作品となりました。少し、皆さんに元気を与えられるような作品を携えて来日できたことは嬉しく思っています。」

舞台挨拶時の演出は面白かった。

「それでは、わたくしの作品について申し上げます。実は12歳以上の方にはご遠慮頂いている作品ですので、一番前の列に座っているお嬢さんを除いて、皆様にはご退場頂きたいのです。

(観客一同笑う)

そのお嬢さんが皆さんに見てもいいという許可を与えるのであれば、皆さんは見ることができるのですが、どうでしょうか。許可しますか?

resized-ベッソンマイクできく Photo by KOKO

(お嬢さん:「大丈夫です。」)

では許可がおりたところで、皆さんに見て頂きましょう!大人には頭で理解できないとこもあると思いますが、その場合、上映が終わってから質問していただければ、お答えいたします。Long Life, Japan!」

最高の演出ですね。さすが監督、場を一つにする天才です。お子さんの許可によって開幕した2011年度のフランス映画祭でした。

他には、『パリ猫の生き方』も見ましたが、素晴らしかったですよ。
色鉛筆タッチのアニメーションでパリの夜空を描かれちゃぁ敵わないっすね。素敵です。
メインキャラには、猫と強盗としゃべらない少女!ほろっと泣ける温かい物語も良し!
オープニングクレジットらへんの映像は、ワイマール映画の『カリガリ博士』(1919年)の奇抜なシルエットにそっくり!見比べて下さい。『アーサー3』のボイスをガクトさんがしたのなら、この愛嬌たっぷりのパリ猫の声は誰がやる???

会場内には、チラシがいっぱいありました。わくわくしますね。↓
あっ、『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』見たいなぁ…
resized-フランス関係1 resized-フランス関係2
Photos by KOKO


高野てるみの「がんばれ日本」カンヌ国際映画祭レクチャー&プレゼントのお知らせ!!

今年も、平素よりお世話になっております新宿カルチャーセンターにて、
カンヌ国際映画祭についての講座を開くことになりました!

震災から3ヶ月が経ちましたが、本日も地震がありましたね。
今年のカンヌ国際映画祭は、震災のこともあり、いつもとは違ったものになりました。

今回の高野の講座では、立ち上がれ日本ならぬ、「がんばれ日本」をテーマに、
カンヌ映画祭で取り上げられた日本映画を取り上げる予定です。

弊社からもカンヌに現地入りしたスタッフ2名も参加し、
今年のカンヌでの模様を皆様にお伝えできたらと考えています。

カンヌ国際映画祭の今昔を勉強できる良い機会かと思いますので
是非、ご友人やご親戚などお誘いの上、気軽に入らして下さい!

日時:2011年6月20日(月)19:00~20:30
講師:巴里映画 映画プロデューサー 靍野てるみ
場所:朝日カルチャーセンター新宿(新宿住友ビル7階→受付は4階で!)
TEL:03-3344-1945
WEB:http://www.asahiculture-shinjuku.com/

ACCチラシ表 resized

ACCチラシ裏 resized


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ プレゼントのお知らせ!! ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

今回のカンヌ国際映画祭では、日本の震災を支援する活動も行われていました。

様々な支援グッズも作っていただきまして、
ハガキ、ポスター、バッジなどが現地では多く見られました。

その中で、スタッフの中でも人気の高かった、“日の丸君バッジ”を1名様にプレゼントいたします!

バッジ2 resized頑張れ日本バッジ

フランス語で「Courage Japon!」と書かれたこのバッジを毎日の服装にプラスすることで、
道行く人々にも「東北に元気を!」をアピールしていきたいですね。
日本中が元気になってほしいから、是非あなたからはじめてください!

この支援バッジを希望する方は、お名前とご住所、ご連絡先を明記の上、
cinema[アット]pariseiga.com までお送り下さい。
(→[アット]の部分は@に変えて下さい。迷惑メール防止のため。)
件名には、「バッジプレゼントの件」と書いて頂けると幸いです。

カチンコ resizedphoto by KOKO
カンヌで唯一お土産として購入したカチンコ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

フランス映画祭2011 & イヴ・サンローラン展

今年のフランス映画祭は、6月23日(木)から26日(日)までの4日間開催されます。
会場は、有楽町朝日ホール/TOHOシネマズ日劇(レイトショーのみ)です。

詳しくは↓
www.unifrance.jp/festival/

私がカンヌ国際映画祭の時に観た、『トムボーイ』も仏映画祭で上映されます。
『水の中のつぼみ』でデビューをしたセリーヌ・シアマ監督が、ふたたび成長期の子供達のデリケートな心を上手に描いた作品!『小さな恋のメロディ』好きにはたまらないかもしれません。でもストーリーはラストに以外な展開に…。主役ロール役のゾエ・エランの演技が素晴らしい。注目といえば、そのロールの妹!兄を持つ妹が必ず経験することとして、慕ってきた兄に初めてできたガールフレンドを紹介された時の妹の表情といえばよいでしょうか…、あんなに小さいのに、その表情が上手く表現されていたので、驚きとともにあまりの可愛さに笑ってしまいました。あの子無しではこの映画は完成されませんね。ブラバー。カンヌで出会った、この配給のNさんも来日するとのことで、早くまたお会いしたいです。

トムボーイー淡い画像 resized photo by KOKO

先日、仏映画祭で上映される短編映画の試写会に行きました。

東京日仏学院に着くと、ものすごいセクシーな展示会が行われていました。

「ベールを脱ぐイヴ・サンローラン ―ジャンルー・シーフによるポートレート展―」
です。6月10日(金)~7月31日(日)までの開催です。エントランスフリーなので是非行ってみて下さい!

サンローラン展1 resized 日仏学院resized
photos by KOKO

神はサンローランに、才能と美貌、2つもお与えになったのですね。でも美しさというものは、時に武器にもなります。サンローランだって、ディオールのデザイナーに抜擢された際には、もちろん才能もそうですが、あの美貌があってこそ紹介されるにまで至ったのではないでしょうか。他人とは違う、オリジナルな個性は必要不可欠ですからね。

サンローラン展2 resized photo by KOKO

しかし、日仏学院の庭がサンローランの素敵なヌードでいっぱいになってましたが、夜はライトアップされるとなると…おしゃれですねー。

ところで、短編6作品を拝見しましたが、
全て、仏映画っぽさ満開でした。映画も芸術なので、人それぞれどの作品が好きかは異なると思いますが、その中でも私がかなり注目した作品は…、

『ピアノ調律師』L'Accordeur

です。生意気にも私から言わせてもらうと、一昨品だけ度肝抜いてましたね。先入観なく、6作品を一気に観ましたが、この監督のファンになりました。監督は、オリヴィエ・トレイナーさんで、パリの国立高等演劇学校で演技と演出を学び、卒業後は俳優、演出家、脚本家、映画監督として幅広く活躍しているという。2008年に戯曲Fissonを演出して演劇祭la Villa Médicis/Hors les Murs で入賞。同年、自ら書いた戯曲 Outrageも発表し、2009年には長編映画 Tous ensembleのシナリオを手がけている。映画監督として、今作が2作品目であり、2007年に発表した初短編映画 Crassusがある。

とてもマルチな才能をお持ちでらっしゃいますね。『ピアノ調律師』のストーリーは、若い天才ピアニストのアドリアンが、コンテストで失敗しショックのあまりピアノ調律師となる。盲目のふりをしてお客の私生活に踏み入る毎日。だがある日、事件に巻き込まれてしまう。何も見えないふりを続けるが、見てはいけないものが目の前に見えている……。というものですが、コミカルな会話のリズムや、編集のテンポ、人をだます側が逆に事件に巻き込まれていくあの物語の展開、そして、エンディングのカットの仕方など、完璧でしたね。短編の作りがよく理解できている監督ですね。しかも、観客の引き込み方を熟知できてるため、短編なのに関わらず、あの続きが観たいと観客に思わせてしまうあの映画のつくり…うーん、すごい。私はやられましたね。どうしてもあの続きが観てみたい!この監督はハリウッド向けですね。早く有名になって、この続きの長編を作って下さい、お願いします。絶対観に行きます!と、言わせてしまうほど、私はこの監督に期待します。他の作品も日本で上映してほしいな。コメディーや、サスペンスホラーが得意そうな感じですね。是非、いろんなジャンルで活躍して頂きたいです。

有名になる前の監督さんの映画で、抜きん出てる人ってすぐわかりますよね。
今パッと思い浮かんだのは、
スティーブン・スピルバーグ監督の『激突!』(1971)と、
ジム・ジャームッシュ監督の『パーマネント・バケーション』(1980)です。
これらが初期の作品とはすごい才能です。ジムの方は、卒業制作の作品ということですし、すごーい!

っと、なんと、この監督は、フランス映画祭2011に来日予定ということですね。うわー会いたいな。短編作品の上映は、25日の11時からとなっています。是非。

レア・セドュ主演の『美しき棘』は、私も観れてないので、是非みたいですね。

Will and Kate ーご結婚おめでとうございますー

先日、“ジューンブライド”に憧れるわ~と電車内で言ってた女性がいた。最近、日本の女性は晩婚化しているという。十代で結婚する人もいれば、一生一人の方が気楽という人もいる。そんな一般的な感覚とは別に、留学していた時経験したことの一つとして、お国によって“結婚”という概念が日本とは全く違うところがいっぱいあるということをたくさん思い知った。

ま、そんなこんなでいろんな思いを頭で巡らせていたら、そういえば、5月29日にイギリスのウィリアム王子がようやく、かねてから噂されていたキャサリン・ミドルトンとの恋を実らせ、結婚したことを思い出した。

日本での私の親友Tちゃんが、友人の結婚式に招かれイギリスに行ってきたが、なんと前日の5月28日に帰国した。もったいない!ロイヤルウェディングを目で見れるチャンスなどそうそうにないことなのに。ダイアナさんの結婚式だって、1981年だったはず。帰国の理由をきくと、そのほうが飛行機代が安くすむってことだったし…、と。

今回カンヌ国際映画祭に参加したが、昔お世話になった方々に会うことになり、急遽イギリスに寄ることになった。良い機会なので、ロイヤルウェディングについていろいろ探れたらとも考えていたが、そんなの甘かった!実際全く時間なく、着いた瞬間から、かつての友人達にTUBE内でガーっと一気に携帯で連絡するものの、みんなの会いたいという声とは逆に、カウントダウンのように過ぎていく時間に、会えない友達続出!ならばと、空港に会いに行くからダメかという子まで出るくらい慌ただしかった!そんな中、イギリス人の親友A君には本当に感謝!もう6年にもなる長い友人だが、同い年なのもあり、気が許せる奴である。お互い違う大学に通っていたが、その頃からよくつるんでいた仲である。私服だった大学時代と違い、男らしくスーツを着た姿で出会ったため、あー私達も大人になってきたなぁと実感。

Abby from the sky-resized photo by KOKO
空から見つけて思わず写真におさめました。
下中央らへんに、ビッグベンと、結婚式がおこなわれたウェストミンスターアビーが見えます。右にはロンドン・アイ。結婚式当日には、ユニオンジャック色に染まりました。

そういえば、ウィリアム王子とケイト(キャサリンの愛称だが、いまや王妃と言うべきか…)もスコットランドのセントアンドリュース大学の同級生だったんですよね。セント・サルバドール寮にケイトがやってきて、1年生の後半に、王子とシェアするフラットメイトの一人に抜擢されたのですよ。地理学に変更した王子と美術史を専攻していたケイト。シンデレラストーリーが始まったのは、大学で行われたあのファッションショーがきっかけになったのは有名な話。セクシーな一面を見せたケイトに王子が心を奪われたのです。もちろん、それだけではないけれど、恋のきっかけは突然くるもの。いつ何どきにそのチャンスが来ても良いように、女性も男性も日々努力で準備しといた方がいいですね。中身が大切といくらいっても、やはり第一印象は、恋だけでなく仕事面でも大事なものがありますよね。ケイトの場合、身長がすごく高いので、モデルなみに綺麗だったのでしょう。

何が世間を騒がし、何故英国人が2人に勇気づけられたかというと、ウィルとケイトの階級の差です。21世紀の現在でも、やはりイギリスには階級という観念が残っています。大学の授業中、私も教授にきかれたことがあります。「日本も封建制度が無くなったといえども、現在社会にはイギリスの階級に匹敵するなにかがまだ残ってるんだろ?」と。イギリスの階級や、ヒンドュー教のカースト制度まではいかなくとも、日本の上下関係はまだ健在ですよね。お年寄りをいたわることは大切です。が、それとは別で、能力が上回るものが下克上することは、社会の活力になると思います。もちろん、反対意見の方は多くいて、いろんな意見があってこそ社会が成り立っているのでいいと思います。留学すると、様々な意見を受け入れる体制ができてくるので、是非日本人にはもっと世界に出て行ってほしいですね。東京がもっともっと、NYやロンドンのように、メルティングポットになっていくと、現状が変わらざるおえなくなると思います。

ケイトは、バークシャー出のミドル階級出身者です。現在、両親は会社経営をしていますが、かつてはパイロットとキャビンアテンダントであった父マイケルと母キャロル、妹のピッパ、そして弟のジェームスと暮らしていました。もともと祖先はダラム出身のワーキングクラスだったのです実は。マイケルの方は、ヨークシャーの地主一族出身ということと、両親が通販会社を成功させたことで、のし上がっていったのです。基本、貴族から選ばれるお妃候補のはずなので、今回のように、庶民と王室の結婚というのは、すごいことなのです。

でも、ダイアナさんの時もそうでしたが、パパラッチという問題は計り知れないほど大変なものなのでしょう。プライベートの日常が侵されていくわけですからね。世間が認めるような、王子様に釣り合う人間になるということも、大変なことだったと思います。憧れと現実は違うでしょう。大学卒業後3年間もケイトは、一般人としてパパラッチと戦ってきました。でも何がすごいって、強さと気品を持って対応していたこと。ケイトだって、大学時代から王子を友達として、そして恋人として彼を守りながらも、自分が王室に相応しい品格を持てるよう努力した形跡は、多くの雑誌の写真をみるだけでも頑張りが見てとれるもの。だからこそ、結婚式当日のケイトに迷いなどなく、堂々としていて、あのアレキサンダー・マクイーンのドレスがとても似合っていた。肩を出すかなと想像していたが、やはり、品格のあるレースでセクシーさをだして正解でしたね。昔、私がまだ大学生だった頃、年上の男性に恋をした際、イギリス人のG君に恋の相談をしたことがありました。G君自体、年上だったし会社の社長さんだったこともあり、私に一生忘れられないアドバイスをくれました。「ココ、カエルの王子様の話を知ってるかい?あれはね、王子が単に変わったのではなくて、あのお姫様が偉いんだよ。カエルが王子に変わるキッカケを与え、最終的に王子様に変えることができたんだから。」と言うのです。あの童話って読めば読むほど、誰が主役で、教訓はなんなのかわからなくなるものですが、あの約束破りの姫と、強引で無償の愛を知らないカエルの物語が、そういう教訓を含んでいるとは思わなかった。G君は続けます、「だからココ、彼に振り向いてもらいたかったら、彼が変わるように自分が動かなくっちゃ。」というアドバイスでした。これって、ウィリアム王子を振り向かせようとするケイトのようにもとれますね。

そう、ケイトは1度、ウィル王子と別れる決断をしたんです。その直後、ケイトの服装が変わり、急にボディコンシャスな服などミニスカートで、前とは違うセクシーさが増しました。まるで王子に対する当てつけのように。こんなに外見も内面も素晴らしい女性なのに、結婚となるとあなたは足をすくませるのね!というような。そう、そして3ヶ月後、ケイトの大切さを再確認したウィルは、自分からケイトによりを戻そうともちかけ、2人はカップルに戻り、結婚に至ったのです。

ウィリアム王子とケイトさんは、ケンブリッジ伯爵と伯爵夫人になられました。

まさにあのバルコニーキスで、カエルから王子になったという訳ですね。
ケイトさんにとってはシンデレラストーリーであり、フェアリーテイルですね。

私が記憶に残ったのは、
ケイトさんが父親マイケルに連れられて王子のもとに到着した際、その姿をみて王子が、
「You look beautiful.」とケイトに伝えたのが口の動きでわかったので、思わず微笑んでしまいました。あとは、the Aston Martin の“Just Married” carのナンバープレートがハリー王子によって作られたということ。すごく今どきな感じでよかった。

ファッションとしては、ケイトと妹ピッパがともにマクイーンだったのは驚きでしたね。2人ともとても似合ってた。エリザベス女王の黄色のドレスも似合ってた。逆に女王が映る際に、必ず後ろにいたプリンスAndrewとSarah Fergusonの娘達である、Beatrice&Eugenieのヘッドドレスがあまりにやり過ぎで見るに耐えなかった。

OK magazine2 Retro-resized photo by KOKO

ロンドンに行った際、上の写真のOKマガジンを記念に買って読んだのですが、そこに載っていた歌手のケイティー・ペリーの当日のマネキュアは、ウィリアム王子のいろんなバージョンを描いたもので、とてもユニークだった。

有名人の感想として読んですごく笑ったのが、『The Office』のRicky Gervaisの言葉!
→「ベッカムが俺に似てきたって、みんな言ってたぞ。」
TVの画面上では本当に似ていた(笑) 要再確認!

あとはハリー王子ですね。7年間もオン/オフを繰り返しているジンバブエ出身のChelsy Davyとはどうなるんでしょうか。彼女は普通のキャリアを望んでいるらしく、ロイヤルウェディングはしないと言っているとかいないとか…。

カンヌ国際映画祭 クロージングセレモニー☆

カンヌの授賞結果をシンプルに、画像とともにご紹介いたします。

まず、レッドカーペット上のスター。
クリストファー・オノレ監督の『Beloved』がクロージング上映でしたので↓

ルイ&ドヌーブresized
ルイ・ガレル&カトリーヌ・ドヌーブ photo by KOKO

授賞式会場内では…。

クロージング会場風景resized photo by KOKO

審査員達。

デニーロresized
今年の審査員長のロバート・デニーーーロ!!
たどたどしいフランス語がかわいく、笑いを誘った。 photo by KOKO

デニーロ&ウマresized
デニーロ&ウマ・サーマン photo by KOKO

ウマサーマンresized
ウマ・サーマン photo by KOKO

審査員全員resized
審査員のみんな。ジュード・ロウもいます! photo by KOKO

サニエ&ゴンドリーresized
リュディヴィーヌ・サニエ&ミッシェル・ゴンドリー監督 photo by KOKO


マイウェンresized
審査員賞
マイウェン監督の『Polisse』 photo by KOKO

キルステンresized
女優賞
キルステン・ダンスト(ラース・フォン・トリア監督『メランコリア』) photo by KOKO

ニコラスワインディング監督 Drive resized
監督賞
Nicolas Winding Refn監督『Drive』 photo by KOKO

ドヌーブ&ジャンドュジャルダンresized
男優賞
ジャン・ドュジャルダン(Michel Hazanavicius監督『The Artist』) photo by KOKO

ダルデンヌresized
グランプリ
Jean-Pierre et Luc Dardenne(ダルデンヌ兄弟)監督『Boy with a Bike』(上写真)
そして、同位でNuri Bilge Ceylan監督『Bir Zamanlar Anadolu'Da』 photo by KOKO

ジェーンフォンダresized
プレゼンターのジェーン・フォンダ photo by KOKO

そして、パルムドール goes to... 『ツリー・オブ・ライフ』!!!

ツリーオブライフのプロデューサーresized
『The Tree of Life』のプロデューサー photo by KOKO

授賞式までに、監督や出演者が帰ってしまっていたので、レッドカーペットを歩いていた時に撮影した写真もここでお見せします!

ツリーオブライフのキャストresized
『The Tree of Life』のキャスト photo by KOKO

アンジーサインresized
アンジーがサインしているところ photo by KOKO

アンジー&ブラピresized
レッドカーペット上のブラピ&アンジー photo by KOKO

いやーざっと雑にご紹介いたしましたが、
なんとも今年のパルムドールは始めから決っていたのでは感が
私にはありますねぇ。『ツリー・オブ・ライフ』の映像を見ると、すぐにスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』の映像が思い出される箇所があることに気が付きます。さらに、ふと思い出すと、今年、期間中には、キューブリックの復元された7本の映画が上映されてましたし、一つ前のココログにも書いたようにマスタークラスでは、『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルが来てましたよね。さらーに、シネマテーク・フランセーズは今年3月23日から7月31日まで、キューブリック展覧会が開催されているという!!!

http://www.cinematheque.fr/fr/expositions-cinema/kubrick-exhibition/stanley-kubrick-expositi.html

ぎゃー!、これらが意味しているものはなんなのか!私の周りでは、パルムドールに『メランコリア』を選ぶ人や、『The Artist』に期待する人などいましたが、が、が、が、行列にならんでいる際に、『ツリー・オブ・ライフ』の英語版プレスリリースを読んでいると、なんとまあ深い深い。監督の意図するものが見え、作品の奥深さがしかとわかりまして、まさかこの作品パルムドールとるんじゃないかと胸騒ぎがしていました。さすが、頭の良い監督が創る作品は違いますね。こういう感覚を現地カンヌで生で体験できた自分をすごく誇りに思います。今回は、カンヌのローカル映画館でも『ツリー・オブ・ライフ』を見てきました。ウディ・アレンの『Midnight in Paris』も上映していましたが、全部フランス語吹き替えばっかり。フランス人の需要が見えたような気がします。日本上映は、8月12日からです。

ココちゃんのカンヌデビュー物語―パート3―

カンヌクラシック上映の一つとして、マルコム・マクダウェルの主演した映画が選ばれた。っというか、キューブリックの作品がといった方が正しいだろうか。とにかく、5月20日(金)に、マルコム・マクダウェルがカンヌにやってきたのだ!スターが毎回インタヴューされる「アクターズ・スタジオ」というTV番組を見たことがあるでしょうか?それのマルコム版といったら容易に想像できると思います。

マルコム・マクダウェル
photo by KOKO

マルコムは、有名な『時計じかけのオレンジ』(原題:Once Upon a Time... A Clockwork Orange)の主役を演じたといえば皆様おわかりでしょう。1971年公開映画ですが、70年代といえば暴力的な映画が増えましたよね。私的には、リンゼイ・アンダーソン監督による1968年製作の『If もしも...』(原題:If...)もかなり好きな作品でして、すでに独特な俳優さんという頭角を表してましたよね。珈琲ショップの女性店員と豹のように絡み合うシーンはすごくアーティスティックで好きです。でもそれがデビューではないですよね、ケン・ローチ監督が『ケス』と『リフ・ラフ』の更に前に出した同じく68年の作品『夜空に星のあるように』(原題:Poor Cow)が、監督さんのデビューでもあり、マルコムのデビュー作品でもあったんですよね。素晴らしい。

ふと思い返したら、シャーリー・マクレーン主演の『ココ・シャネル』にも、マルク・ボウシエ役で出演していましたね。更にいえば、今年のカンヌ映画祭でも、『アーティスト』という素晴らしい映画の中にも彼が出てきました。気づきましたでしょうか。なんだか優しそうで、素のアンソニー・ホプキンスに似ていた感じでしたが。私はその『アーティスト』をカンヌで最前列の補助席で見て(すごい人気で席がなく…、でも映画館では最前列が好きなので良かったですが。)、ほろりと泣きました。編集も上手かったですねぇ。映画をこよなく愛し、しかも映画をよく知った作り手さん達が作ったのだろうなというのは見ていてわかりました。あの、30年代に無声映画がトーキーの時代に突入した時代背景をフルに活用し、笑いあり、ドキドキあり、涙ありに仕上げ、オマージュ作品なのかな、ジーン・ケリーにくりそつの主役、ジャン・デュジャルダンが今回、主演男優賞ももっていきましたね。発表の瞬間、私まで嬉しくなりました。映画のラストには、『トップ・ハット』(1935)のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャース並みのステップが見られますし、是非みなさん機会がありましたら見てみて下さい。

ジャン・デュジャルダン
photo by KOKO

…って、話がずれましたが、あの頃のマルコムをイメージして会場に乗り込んだため、現在の彼を目の当たりにし、ちょっとショックを受けつつ、でもいまだにROCKしている姿を見て素敵だなと思いました。

特にはその『時計じかけのオレンジ』についてお話するとのことでしたが、いろいろな貴重な映像も見ることができ、とても楽しかった。例えば、『ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!』とか、『ナック』(65年のパルムドール受賞作品!)でも有名な監督、リチャード・レスターの『ローヤル・フラッシュ』(1975)の貴重なクリップも見せてくれました。19世紀のドイツを舞台に、マルコム扮するお調子者の英国軍大尉フラッシュマンが陰謀に巻き込まれるストーリーですが、歴史コメディーなので面白く、会場中爆笑でした。さすがイギリス人なので、どんな話を語っていても面白い!話の途中で、作品が何作目かみたいなくだりで司会者の方が間違えると、皮肉で返すところがイギリス人らしいなーとおおうけでした。会場全体の笑いがついてこれてない時が多々あったので、英語が得意でない外国人が多かったのかも。

サインをするマルコム・マクダウェル マルコム3
photos by KOKO

『時計じかけのオレンジ』は、スタンリー・キューブリック(1928~1999)監督の9作品目で、原作は、英国人作家のアンソニー・バージェンスの同名の著書がもとです。幻の21章というのがあり、主人公のアレックスの回復後のくだりは映画でもおさめられていません。あるとないとじゃ、ラストの表情も違ってくるでしょうに。映画は近未来を描いてるように見えるが、ベースはthe 60'sを描いてる。ベトナム戦争など、日本でもあったけど、若者による抗議運動が増え、この時代はヨーロッパ社会での不安全さが増していった時期ですよね。そういう時代ですから、外見的にはイギリスでは、モッズやスキンヘッド、Rockerなども増えていった時代です。ポップアートやサイケデリックなど、スクリーン上にはいろいろと影響がみられます。この映画がリリースされた後には、これが原因とされた事件も起きてるのです。映画の影響力はすごいものです。

1971年、『時計じかけのオレンジ』がリリースされたとき、監督は43歳。NY生まれだが、新聞用フォトグラファーから映画監督への転換のため、ロンドンへ家族と移り住むことになる。その作品は、同時期にナポレオンの映画制作で忙しかったため、お流れ状態だった。完全主義者の監督としては、制作過程で、概念を練るところから配給までやってしまったという人物だった。反抗的で、自由主義気質のあるキューブリックいわく、「文明というものは、ただの表面的な保護コーティングにすぎない、それ故、人間の根底にある本当の気質、悪というのはどんな瞬間にも再浮上するものである。」どんなに最悪な罪人もアレックスのように拷問にかけられるべきでなく、無理矢理ねじ曲げられるべきではないという意見にあなたは賛成できるだろうか…。『時計じかけのオレンジ』は、非現実的だがとても深い作品なのである。

ココちゃんのカンヌデビュー物語 ―パート2―

ソワレ上映に向け、日本映画をいっちょ盛り上げようと、企画したことがあります。

ココちゃんのソワレドレス・プロデュースです。

カンヌでは、プロのカメラマンがメイン会場前にたくさんスタンバッています。
もちろん、レッドカーペッドの公式カメラマンもいますが、今回は、とにかく日本映画を応援するかたわら、是非カメラマンにドレス姿を撮ってもらいましょうという企画です。

パレ前のカメラマン群
パレ前のカメラマン群衆 photo by KOKO

そして今回私がお願いしたのが、タク。同じ山口県出身ということで、なにか一緒にやりたいと思っていたとこだった。山口県は、尊王攘夷を掲げ、幕末に活躍した、木戸孝允(のちの桂小五郎)、高杉晋作など、吉田松蔭先生が育てた優秀な武士も多くいた。最近の長州藩を取り上げた映画といえば『長州ファイブ』。長州ファイブも英国に行くんですねーこれが。幕府にお金をもらい留学した薩摩藩とは別に、あの鎖国時代に命をかけて海外の進んだ文明を日本の未来のためにと英国に学びにいく姿は、最近留学生が減った日本の若者が忘れてしまったなにか強い志しのようなものを感じてなりません。ザビエルが日本でのキリスト教布教のために宿所としたのも山口なんですよ。NHK大河ドラマの『龍馬伝』でも高杉晋作役だった伊勢谷友介さん、度肝抜くほどかっこ良かったですよね。歴史ゆえ、大内時代の五重塔・瑠璃光寺や、京都でなく山口の八坂神社の祇園祭りなど、小京都と呼ばれるものも山口には多く、関西圏では出会えても、山口出身者に関東圏で出会うことがあまりないので、タクとの出会いもある意味奇跡。まだイギリスで大学生活をしていた頃、日本に里帰りした。イギリスに再び帰る際、航空会社の不備で、飛行機が5時間も遅れることになった。空港で5時間も時間を潰すのは一苦労。そんな時、昔の同級生に出会った。話をすると、英国人と結婚間近といっていた。隣同士の席にしてもらい、いざ飛行機に乗り込むと、3人席の残りにタクがやってきた。それが彼との出会いだった。きくと、タクはベルギーのアントワープにある王立学院に通っていた時期だった。その大学は、私も行きたいと思ったことがある大学だった。誰もが卒業できるわけじゃない。タクのHPを見れば、彼がファッションの才能を持っていることがわかるだろう。

http://takumiyanazaki.com/

しかし今回は、タクのお得意のレベルの高い芸術ファッションと違い、カンヌのレッドカーペットで映える大人っぽいドレスをお願いしたため、急遽、私がデザインすることに…!時間もなかったため、シンプルなドレスに徹することになり…。

dressdesignbykoko.jpeg
デザイン画 designed by KOKO

本当に少ない時間だったが、タクは立派なドレスを手渡してくれた。カンヌ出発の前日だったが、本当に感謝しました。が、、、その深夜、初めてそのドレスに袖を通すと…、ななななんと、ムチムチのパンパン!やばーい座れなーい!という事実に気づく。そうです、タクに伝えておいた私のサイズは、イギリスに居た時のかなりスキニ―な私のサイズにちょい足した感じ…。気づかぬうちに、日本に帰国後、すっかり体脂肪が2倍になっていた私です。しかし、カンヌ行きの前日にこの事件は大きかった!なぜなら一度ドレスを受け取ったら、私には最後までプロジェクトを成功させる責任がある!が、ヨーロッパに行くと不思議と体重が減って健康的になる私は、経験上、2週間後には絶対痩せる自身があった。あとは神に祈るばかりとなった。

そこに、もう一つ問題が起こってしまった。19日の『一命』のソワレを盛り上げるためのドレスなのに、『一命』のチケット予約を逃してしまったのだ!マダムKATOは、すでに18日にチケットが取れていたが、私のランクでは、当日の8時までは予約が開始されなかった。朝6時過ぎには起き、近くのブランジェリーの焼きたてバゲットを朝食にしていた我々だが、その日は8時にスタンばる。1分前にアクセスしてみると画面がまだ開かない。8時になり、再度チャレンジするものの、出てきたものには、Reservation Completedの文字が!!!!一気に血の気が引いた瞬間だった。チケット争奪戦恐るべし!日本映画は人気だ。でも落ち込んでてもしょうがないと思い、打開策を練る。余ったチケットを所持している人がいるかもしれないので、それを運良くもらえるよう、私も行動にでる。ランチを食べてる時も、歩いてる時も、アピール!原題のHARAKIRIの文字が日本語と知っている人達は、私に気づく気づく。ティーンの子達が、写真を撮ってくる。横でずっと私と会話していたフランス人夫人は、それを見て、「あんた、自分の写真をむやみに他人に撮らせちゃダメよ!もし誰かが自分を撮ろうとしていたら、必ずお金を要求すること!スターだってやってるでしょ!」という、アドバイスをくれるんですが、私はスターじゃなーい!それよりチケットー!と、とやかくやってると、ある救世主がチケット入手を手伝って下さり、もう私はその方を一生忘れないことでしょう!その際はありがとうございました!

よって夜22:30からの『一命』ソワレに向けて着替えるのですが、カンヌでは慌ただしく動き回っているので、着替えに20分しかなかった。ここ1週間、忙しく、でも楽しくカンヌでの仕事をしていたため、なんと少し痩せて、ドレスが入るようになっていた。いざ本番ということで、町へくり出すと、金のドレスは結構目立った。会場前では、プロカメラマンからのシャッターのあらし!地元のティーンズから、写真を一緒に撮ってと頼まれる。女の子はドレスに憧れるもの。会場内で隣り合わせた紳士達にも、その髪飾りとても素敵だよとお褒めの言葉を頂き、上映後には、映画関係者の男女の2人に名刺をもらい、写真を撮らせてと頼まれた。うーん、いろんな人が話しかけてきてくれる。素晴らしい、これもタクが頑張ってくれたからだと感謝。会場前でカメラマンに撮ってもらうと、カードを渡されるが、なんと、この一夜で20枚近くもカードを得ることが出来た。翌日、地元の写真屋では、その多さから、大成功だったねとお褒め頂いた。

もはや、自分のこととは思わず、タクのドレスをどう広告するかの方に気がまわっていた私は、大成功という言葉にほっとした。もちろん、私のカンヌデビューのよい記念にもなってよかった。

koko early soire
earlyソワレのココ写真

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レッドカーペッド上でのココ photo by マダムKATO

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真夜中ソワレ後のココ

おまけ。。。
カンヌの旧市街地で見つけた鉄のドレス。次回はこれかな…。

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鉄ドレス photo by KOKO

町では、トム・クルーズの愛娘のスリちゃんかと思わせてくれた天使ちゃんに出会いました。ポーズを決めてるところがまたラブリー。下の写真はかなりピンぼけだけど、なんだか雰囲気があって好きなのでアップしちゃいました。

Suri1
天使ちゃん1人で photo by KOKO

Suri2
with her sister or mum?? photo by KOKO

こーやって、誰もがお姫様になれるのがカンヌ映画祭のすごいところです!
ソワレの時間帯は、ドレスじゃないほうが、浮いてしまうというすごい町!
日本でもこーやって、ドレスコードのある映画館や映画祭があってもいいなあ。
イギリスには、知る人ぞ知る映画館があり、カップルや夫婦用のペアのチェアに、サイドテーブルがあり、ワインをソムリエが注いでくれる映画館があるのだ!食事もできるんだぞ!日本人こそ好きそうなのになあ…。
ソワレは何度でもまた行きたいです。

ココちゃんのカンヌデビュー物語 ―パート1―

今年もきましたカンヌ映画祭!人生にはその時その瞬間にたてる目標がありますが、私の昨年からの目標はカンヌでした。一つ一つの小さな目標を達成していけば、そのうち大きな最終目標に辿り着けるというもの。昨年は、カンヌ出張組から日々送られてくる情報をオフィスにて受け取るにとどまっていました。来年はこそは自分も!という意気込みでしたが、3月には東北関東大震災が起きましたね。その日はオフィスに泊まることになりました。現地からの映像は凄まじいもので、被災された方々、ならびにご親戚、ご友人の方々には心よりお見舞い申し上げます。私の知り合いにも、家が半壊してしまわれた方がいらっしゃいました。そんな中日本は自粛モードが広がりましたが、戦後より復興に力を入れてきた日本だからこそ、ここで止まってはいけないと思います。常に前進し続ける日本でありたい。現地でも被災され、全てを津波に流されてしまった会社経営者の方々が再挑戦のため銀行に押し寄せている映像を見ました。政治の世界だけでなく、小さな社会の中でもリーダーがしっかりしなくてはいけません。頑張ろう日本!どんな人生でも、前進してこそ意味がある!人の苦労話より、頑張って何かを達成した話の方をききたいものですよね。

今年のカンヌ映画祭では、Marche du Film のExective Director ジェローム・パイラードさんが赤十字に話をもちかけ、震災復興に向け、会場で募金をつのってくれていました。募金箱やポスター、ハガキなど、日の丸に似せた赤い顔のキャラクターが会場中どこにでも見られました。特に私のお気に入りは、同じキャラの描かれたバッジです。

RedCrossGirl
赤十字ガール photo by KOKO

今回、赤十字のサミットに巴里映画の2人が招待されまして、映画祭で集められたお金を受け取るという大役に抜擢されました。Group UNのダニエルと話をすると、25万円以上の募金が集まったとのこと。今回の募金キャラクターも、日本の震災に心を痛めたヨーロッパのアーティストが一丸となりウェブ上で作品を紹介するというチャリティ活動の中から選ばれたマリオン・ビレというフランス人イラストレーターの作品だということも、ダニエルに教えて頂きました。日本人代表として、カンヌの地で大役を授かり、とても名誉のあることだと思っています。少しでも被災地の「前進」に向け、協力できたらと祈っています。

Red-Cross Summit

putting the vest on
赤十字サミットで全員で撮った写真

さて、カンヌといえば、ビーチ。とても気候がよく、暑いくらいでした。一足先に夏を感じてきました。

CannesBeach1
スクリーンのあるビーチのパノラマ

CannesView1
カンヌの街を城のある丘から一望

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丘からの海辺のパノラマ photos by KOKO

今年のカンヌの公式プログラムを飾ったのは、1970年に監督兼写真家であるジェリー・シャッツバーグにより撮られたフェイ・ダナウェイです!メイン会場にも大きく看板がでていました。昨年のビノシュもモダンで良かったが、今年のは映画っぽくてより良いですね。

FayeDunnaway2
photo by マダムKATO

FayeDunnaway1

RedCarpet1
photos by KOKO

ココちゃんは、前日まで熱があり、パッキングも深夜3時から始めることになり、朝6時前にはタクシーの送り迎えがきてしまう状況でした。あとは成田空港でどうにかなれーっと旅立つ私。ですが、飛行機好きの私は、いつものようにワクワク感がとまらず、現地に着いたら、風邪も吹っ飛んでしまいました。イギリス生活の長かったココですので、周囲に外国人がいるだけで、安堵感とワクワクと、日本代表だという少なからず意識がでるのでキリっとやる気がでます。英語が使える環境がさらに、私をリラックスさせ、私の中の何かが弾け始める。そんな中、カンヌの地で色々な人との出会いがあった。出会いとはどこにでもあるもので、ブースがある会社との交渉以外でも、道端でも業界人との出会いがあった。皆気さくに話しかけてくれるから、人生面白い。

RigaMP
photo by Ms Yuma Matsukawa

Koko with a UniFranceStaff

Roicy
photos by マダムKATO

今年は、日本関連の作品が5つもあった。三池崇史監督の『一命』、カンヌが生んだ河瀬直美監督の『朱色(はねづ)の月』、園子温監督の『恋の罪』、エリック・クー監督の『TATSUMI』、そして、短編作品でも田崎恵美監督の『ふたりのウーテル』がありました。

いやーやはり三池監督ですよね。キャストにも、海老蔵、瑛太、役所広司、満島ひかりと揃っていて、前回の『十三人の刺客』からもかなり期待されているのでと臨みました。私は『オーディション』の中での、クリクリクリ…とか、ゴミ袋がガサッ!!とかのイメージが、三池さんといえば出てきてしまうので、三池流残酷さみたいなのを、今回はどう表現してくるのかと期待していました。タランティーノだったら、かなり血が吹き出ていたのだろうと察しますが、音楽も今回坂本龍一さん担当ということで、派手さは無かったように思えます。なんたって、小林正樹監督の『切腹』で使われた原作の再映画化ということで、カンヌ初3D作品といえども、落ち着いていた。是非、仲代達矢さんの方の作品もご覧下さいね。迫力がすごいです。いや~日本家屋の奥行きを3Dで出すとは考えたものです。画面になんども出てくるあの家紋、なぜだか、私の代々伝わるココ家の家紋と同じなんです。偶然だなー井伊家とどんな関係が…!?いやーしかし、海老蔵の所作の美しさと、歌舞伎役者のような声の使い方も素晴らしかった。瑛太の切腹シーンは、少し三池さんらしさがでたのではないでしょうか。しかし、見ていて痛い痛い。中には席を立つ者も。ついつい何人耐えきれず席を立ったか数えてしまったほど。いろんな反応があって良しだと思いますし、劇場で皆で映画を鑑賞するからこそ味わえるものっていいですよね。でもさすがです、5分以上のスタンディングオベーションで拍手に包まれました。10月日本公開です。

Eita
瑛太 photo by KOKO

関係ないですが、19日の一命ソワレ上映の際に、面白いド派手なドレスを着たお2人がいましたので、載せときます!クモ女とレインボーセロハン女です。盛り上げてくれて有り難うですね、感謝!

SpiderLady
クモ女

RainbowLady
セロハン女 photos by KOKO

河瀬監督の作品は、しっとりしていて、あの独特の河瀬節がでていました。いつも、タイトルに工夫がありますが、“朱花”とは、朱色ですが、血など、命の赤という意味もあるらしく、作品は深いものになっております。画面いっぱいに出身地である奈良が全面にでていて、フランス人にとってはたまらないのではと思いますが…。とてもスローペースの作品に仕上がっていて、雰囲気が出ていました。主演俳優のこみずとうたさんは、日活ロマンポルノの巨匠ガイラの遺伝子を受け継いでいるということです。フォトコールでの、大島葉子さんは、立派なお着物でとても清楚な雰囲気でした。画面上ではどうしても、木村佳乃さんにみえてしまい、私の目は錯覚を起こし続けました。9月に日本上映です。

Kawase
河瀬直美監督とお子さん

Komizutouta
こみずとうたさん photos by KOKO

園子温監督も、スタンディングオベーションが長く続いてましたねー。主演の神楽坂恵さんには拍手を送りたいです。自分の人生をあの映画にかけたという意識が伝わってはきましたが、なぜあそこまで…とも思います。今後どういったジャンルの映画に出演するのだろうか。私的には、大島渚監督の『愛のコリーダ』的なものは、芸術的にありだと思う。両作品とも実話が元といえども、大島監督の世界は美しいエロスである。今回の『恋の罪』とは全く別だと思っている。園子温ファンの声をきく必要がある。

GuiltyofLove
恋の罪のパンフ photo by KOKO

シンガポールのエリック・クー監督の『TATSUMI』は、原作作家の辰巳ヨシヒロさんの半生を漫画化したもの。ある視点に公式に上映されたのだ。エリックの辰巳へのリスペクトがうかがえた。初めてのカンヌに、壇上へ上がる際にこけてしまった辰巳さんだが、コメントからも辰巳さんの人の良さが伝わってくる一幕だった。会場は沸き、拍手喝采で終わった。

Tatsumi1

EricKhoo_Tatsumi
photos by KOKO

短編の田崎恵美監督の『ふたりのウーテル』だが、まずウーテルって?と質問がくるだろう。英語にすると面白いタイトルなのです。『Paternal Womb』ってこと。ね、良い題名だ。私が一押しのタイトルです。母を亡くした娘が、出て行った実の父に会いに行く際、その同じ父親を持つ大家族から家出する長男と出会うという、異母兄弟のロードムービーです。なるほど納得。この主演の水口早香がいいですねー。演技がというより、存在がいい。是枝監督の『誰も知らない』の主演・柳楽優弥に通ずる目の鋭さ。沖縄の子のような雰囲気。もっと映画に出演すべきだ。柳楽君もカンヌで主演男優賞とってましたものね。異母兄弟の育った環境の差、「映画の温度差」みたいな描き方は、田崎監督がよく表していたと思いました。田崎監督は、前作の『アンナと二階の部屋』で国内映画祭でいろいろと受賞歴があるという。若干24歳!第二の河瀬なるか!?

…と、早足で、詳細無しに一気に今年のカンヌで公開された日本映画をレポートしました。惜しくも賞を逃しましたが、5作も上映されて、嬉しいことです。カンヌ映画祭は独特で特別な映画祭だと実感しました。

世界の武満徹―ココ・シャネルとの繋がり!?

2月から心機一転、弊社は渋谷から上目黒に移転いたしました。これからも宜しくお願いいたします。

ところで、今回のお題はというと、武満徹さんにフォーカスしてみたいと思います。弊社では、ココ・シャネル関係の書籍を2作、出させて頂いているのは御存知だと思いますが、その武満徹とココ・シャネルの意外な接点をご紹介させていただこうと思います!

武満徹というと、映画、舞台ドラマ等の作曲家として有名ですよね。20歳でデビューしたのですが、日本では、酷評を得たりとなかなか芽が出なかったようです。そんな時、1957年に作曲された「弦楽のためのレクイエム」を聴いたストラヴィンスキーによってみそめられた武満は、“世界の武満徹”として新たな階段を登っていったのです。

ストラヴィンスキーといえば、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの『ファンタジア』に出てくる「春の祭典」という曲で有名ですよね。それから60年後、ディズニーの甥ロイ・E・ディズニー製作総指揮のもとつくられた『ファンタジア2000』の中では、同じくストラヴィンスキーの「火の鳥」が加えられています。是非、幼少時に見たであろうファンタジアの世界を大人の目を(そして耳を)通して見直してみて下さい!きっと新しい発見があることでしょう。そしてそして、昨年には、ココ・シャネル関連の映画が3作も上映されましたよね。その中の1つで、『シャネル&ストラヴィンスキー』を見て頂いた方にはもう私の言いたいことがご想像できていると思いますが、そうです、ストラヴィンスキーもココ・シャネルが、彼の才能に惚れ込み、援助をしたということが云われています。そのストラヴィンスキーが、今度は武満徹を…と繋がるとなると、うーん、世界は狭い。ココ・シャネルとの出会いがなければ、武満徹の運命も変わっていたのであろうか…?世に残るだろう芸術家達の援助をしていたココ・シャネルの存在は偉大である。昨年末に、ル・テアトル銀座にてココ・シャネルのミュージカル『COCO』を拝見させて頂きました。こちらは再演でして、69年には、あのキャサリン・ヘップバーン主演でブロードウェイでも上演された作品です。鳳蘭さん主演のココは、迫力があり、おちゃめであり、かっこよくもありと、大変お似合いでした。本や映画上で知っていたはずのココ・シャネルが、劇場内の目の前で動いているというのは感動的でした。その時代を体感するというのはこんな感じかと身震いしました。また今年も再演してほしいです。現代にもつながるココ・シャネルの発明を、そして彼女の偉大さをこれからの若い世代に伝え続けるべきです。

MusicalPlayCOCO
ル・テアトル銀座にてミュージカル『COCO』。
ふと見ると、前回カンヌ映画祭でグランプリを取った『白いリボン』も上映されていた。

ストラヴィンスキーのおかげもあり、1つ階段を上がった武満徹でしたが、小林正樹監督作品の『怪談』(1964年)でも、彼の作曲力が活かされていましたね。小林監督作品の画の影響もあり、見終わると、怖いという感情よりかはなぜか、「す、すごい、なんという芸術の世界なんだー」という方がうわまわったのを覚えています。「弦楽のためのレクイエム」もそうでしたが、ホラーというか、サスペンス的というか、武満徹の独特の音の間の感覚というものを感じます。琵琶や笙など、邦楽器を多用することでも有名ですが、この2つが彼の曲調の要なのではと考えます。安部公房原作で、勅使河原宏監督の『砂の女』は、私も惹かれる作品ですが、あの不思議な世界、感覚を上手に音で表現しているなと思います。ロンドン留学時にはよく上映されていましたし、猛烈な武満徹ファンという東ヨーロッパ圏からの友達も、大学で出会う機会がありました。“世界”の武満という意味を知らされました。しかし、あの作品に出てくる岸田今日子さんは色っぽいです。

武満徹が、ロシアのアンドレイ・タルコフスキーに深く傾倒していたことは、恥ずかしながら最近知ったことでして、私もタルコフスキー作品のファンなため、共感が湧きました。私的には『鏡』と『ストーカー』が好きですが、武満さんは、タルコフスキーが1987年に他界すると、死を悼み弦楽合奏曲「ノスタルジア」を作曲したそうです。

いやーでもなんといっても、武満徹といって私が思いつく作品といえば、1943年の『午後の網目』でしょう。ご存知でしょうか?マヤ・デレン監督作品です。ウクライナ出身でアメリカの前衛映画作家であり実験映画家の方で、1940年から50年代に活躍した女性監督です。とても多彩な女性でして、詩人、写真家、作家と幅広いですが、振付師や舞踏家のイメージが、他の作品からして強いです。この『午後の網目』、編集が面白い作品ですよ。何度もみて研究したくなりますが、初めて見た時も、何度見ても、武満徹の曲なしでは成り立たない作品だと思います。尺八や太鼓の音の上で繰り広げられる不可思議な映像世界は、日本人の私にとってはかなり衝撃的でした。機会がありましたら是非ご覧ください。ちなみにデレンは、44歳と若くして亡くなりますが、その遺灰は富士山に散灰されたそうです。終わりも芸術的に美しいですね。

武満徹作曲作品というだけで、様々な映画作品が出てきましたね。知らずに見ていた作品も多いもので、あれもか!これもそうだったのか!と改めて感動させられます。映画美術の中では、音楽も立派な要素の一つなので、曲調や歌詞などもよく噛み締めて映画をご覧頂けると作り手側も喜んで頂けるのではと思います。数時間で上映が終了する映画も、監督はいろんな要素を取り込み、考えに考えて大事に映像を作っているので、いろいろ研究をするのも面白いでしょう。例えば、タランティーノは、映像と真逆の雰囲気の曲を使ってたりするのが面白いなと私はよく思います。ディヴィッド・リンチの映像と音の世界感もすごいですよね。良くも悪くも考えただけでゾクッときます。

バレンタインもあったことだし、最後に私が最近見つけたチョコを皆様へ。
弊社、巴里映画のロゴと同じパリのエッフェル塔の巨大チョコです!Happy Valentine's Day!!

EffelTowerChoc
パティスリー カカオエット パリ にて販売中

1862年7月4日の「金色の午後」、「地下の国のアリスの冒険」が生まれた

今年も明けました、どんな一年になりますやら。今年も宜しくお願いいたします。皆様にとって素晴らしい一年になりますよう、巴里映画スタッフ一同願っております。

ところで今年は、卯年です。ウサギときくと、アリス好きのわたくしとしては、不思議の世界にアリスを惑わせた張本人である、あの時計を持った白ウサギを思い浮かべます。昨年は、ジョニー・デップがマッドハッターを演じて話題になった3Dの『アリス・イン・ワンダーランド』が公開されたことは皆さんの記憶にも新しいと思います。11月には、銀座松坂屋にて「アリス展」も開催されていまして、多くの貴重な資料が展示されていました。

弊社、巴里映画の高野てるみは、文京学院大学にて「アニメーション論」の講義もしておりますが、同大学にてお知り合いである教授の桑子順子氏のアリスの講座のポスターに、私の目は釘付けになりました。「『不思議の国のアリス』にみるイギリス文学」という、昨年11月13日、27日、12月4日の全3回にわたりおこなわれた講座でして、アリスをベースに、映画の魅力や、英語、更には、イギリス文化や文学についてまで学べてしまうという贅沢な講座でした。桑子氏の準備された配布資料には感激するほど情報がたくさん詰まっていましたし、何より桑子氏の豊富な知識と、面白い人柄からあふれる詳しい説明には大変楽しませて頂きました。中でも、歴史や文化の関わり方は面白かったですね。薔薇戦争や、ビクトリア王朝時の英国文化や、紅茶やティーパーティにまつわるお話など、“なるほど!だからあんなストーリーなのか!!”と納得することが多々ありました。英国やアリスについては自分でもよく研究していたのですが、更なる知識を得ることができて感激でした。紅茶について学んでいた時に、ふと思い出したことがあります。イギリス人ってほんと面白いなとよく思ったものです。ある夏の日、ホームステイ先の庭の倉庫内でスカンクが現れた時、皆で捕まえようと四苦八苦しました。3世代の大家族がすでに居たのですが、すばしっこいので、お隣さん家族まで巻き込み協力してもらい、かなりの大騒動になりました。そんな中、もう少しで捕まえれるという時に、急に一人が、「ティータイムにしよう」と言った瞬間、皆一斉に手を休め、お茶の準備をし始めたのです。「え?今のあの瞬間で言うかふつう…?」と呆気にとられましたが、お茶はそれだけ大事な習慣なのでしょう。そんな英国人が大好きです。ある日には、父親的存在だったウェールズ人のアーサー爺さんが実際1日に何回お茶を飲むのかが知りたくて、こっそり数えた時がありました。するとどうでしょう!9回以上もティータイムがあった!私も頑張ってくらいついたが、6杯でその日は終えました(笑)

不思議の国のアリスを生んだ、ルイス•キャロルについて、皆さんはどれだけ知っていますか?本名は、チャールズ・ラトウィッジ・ドジスンといい、チェシャ州のダーズベリで生まれました。牧師だった父親の影響もあり、彼と同じく、有名なオックスフォード大学のクライスト・チャーチ・カレッジで数学と古典を修めました。実際には、ハリー・ポッターで有名になったあの大食堂にも、キャロルの肖像画がかかっているんですよ!かの有名なアリスの物語も、実在したアリスへ贈られたもので、彼女はリデル学寮長の3人娘の1人だったのです。タイトルにあるように、1862年の金色の午後(ゴールデン・アフタヌーン)に誕生したストーリーはキャロルの即興でしたが、人生で様々な相手に彼が送った手紙の記録をみてみると、その即興が彼にとっては難しいことではなかったのがよくわかります。想像力にたけていた彼が数学的要素を取り入れることにより、あんなに面白い物語が出来るのですね。他の彼の作品である、「スナーク狩り」や「シルヴィーとブルーノ」にもキャロルらしさがにじみ出ています。アリスといえば、テニエルの絵が有名ですが、その前にキャロル自身によって全ての絵が描かれた「地下の国のアリスの冒険」をご存知でしょうか。アリスの原型といえますね。

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↑アリス・リデルと「Alice’s Adventures under Ground」(書籍情報社)

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↑ウィットにとんだキャロルが書いた、ネズミのシッポの形をした文章。(TALEとTAILをかけているのだ!)

“地下の国のアリス”ときくと私が思い出す映画は、ヤン・シュヴァンクマイエルの『地下室の怪』です。恐怖感が創り出す、想像の力というのはすごいものがあります。ヤンは、『アリス』も映像化していますが、彼のシュールレアリストとしての作風は大変興味深いものがあります。見た人は度肝抜かれますけれど…。コラージュを扱ったアリス本もだしてますよね。もともとチェコのアニメーションや、スターリン政権下のチェコ・スロバキアの時代の方ですので、映像に秘めた思いを具現化する手法はオリジナルであり、とてもユニークで大好きです。偶然ですが、大学時代の講師の一人が彼の専属インタビューをよくしていた先生で、マイケル・オープレイからは、アニメーションとイタリア映画を学びました。彼の著書である、前衛映画についての本も見事ですよ。スタン・ブラケージとか、アンディ・ウォーホルとか好きな方は読んでみてください。アリスの最初の映画といえば、1903年のセシル・へプワース監督作品でしょう。アリスが伸び縮みする場面は、あの頃の手法を見ることが出来、必見です。テニエルの絵が好きな方は、1915年版のヤング監督のものがお薦めです。私的には、1999年のリック・ウィリング監督作品にでてくる、マーティン・ショート扮する帽子屋が最高ですね。ジョニー・デップどころではありません。年代とともに何度も映像化され、現代では3Dにまでなりましたが、皆さんも様々なアリス作品から自分だけのお気に入りを探して下さい!!

お花のファッションショー!!

華道家の假屋崎省吾さんの展覧会『華道家・假屋崎省吾の世界―IBUKI—』が今月3日から21日までおこなわれていました。目黒雅叙園の東京都指定有形文化財である『百段階段』を会場にし、その南側に連なります各部屋では、假屋崎さんが生命を与えたお花達があなたをお迎え致します。会場外には、著名人の方々からのお祝いのお花がたくさんありました。神田うのさんや美輪明宏さんなど、さすが假屋崎さんだといった交友関係の広さに驚きました。弊社の関連会社であるTPOからもお花を送らさせて頂きましたが、ぬゎんと、その隣りには、あの“まいう〜”でお馴染みの石塚英彦さんからのお花が置いてあるではありませんか!!石塚さんに似た可愛らしいお花だったので、おもわず写真をパチリ。

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百段階段は、江戸文化の贅を受け継ぐ昭和の保存建築ですが、その存在感にまず圧倒されます。下から覗くと、力強い川の流れのような雰囲気があり、歴史の流れの重みのようなものを感じることが出来ました。各部屋の建築も素晴らしく、私は特に、光を通した障子の影の美しさに何度も見とれてしまいました。文字通り、昭和初期の高い技術に華を添えるような假屋崎さんの華道家センスには脱帽いたしました。多くの花々は、ただ飾られているというよりは、生命を与えられたがゆえ、自分から自己主張しているようでした。それが“存在感”っていうものなのですね。まるで、百段階段をランウェイとする、お花のファッションショーのようでした。生け花には、独特な空間美術があると想像しますが、“間”を上手に扱える方でないと花の一つ一つの個性が活かせないと思うのです。假屋崎さんは、その“間”の達人ではないでしょうか、それとも“間”(魔)法使いでしょうか(笑)。色がとてもカラフルだったのも印象に残っています。更にいえば、花器にも刺激を受けました。なんでも、これらも假屋崎さんがお作りになっているそうです。ポップでかわいい花器には、助演女優賞を贈りたいくらいでした。

TPOも編集協力させて頂いた、假屋崎省吾さんの新しい書籍にも触れておきたいと思います。11月11日、テレビ朝日系列『やじうまテレビ!』でもご紹介されました、「花のあるライフスタイル―使える賢い50のヒント―」(河出書房新社1575円税込)です。日々の生活においてお花をどのように上手に取り入れていくかというヒントがいっぱい詰まったポジティブな内容です。我々人間は、人生において多くの機会でお花に助けられていると思います。疲れた時や、スペシャルな時など、時にはそっと見守り励ましてくれたり、ある時にはパッと華やげてくれたりと、知らず知らずにお花からパワーをもらっているものです。私が英国のチェルシーに住んでいた頃は、ガーデニングからチェルシー・フラワーショウまで、英国人の花に対する夢やロマン、そして愛をよく感じていました。假屋崎さんもフランスのジヴェルニーにある、画家のクロード・モネの庭に実際に訪れ、現地でガーデニングをなさっていましたよね。モネは日本庭園にも興味があったそうで、彼の有名な睡蓮の画を御存知の方も多いはず。假屋崎さんがモネの庭でお手伝いをされていた際、待ちに待った睡蓮の花が静かに水面に咲きました。それをご覧になった假屋崎さんの目から流れた涙に、私もおもわずTV越しに深夜、もらい泣きをしたのを覚えています。感性の豊かな方で、優しい方なのではと思います。フランス人がよく、愛がないと死んでしまうというように、花も愛情がないと枯れてしまいます。仕事、仕事と毎日忙しい方も、花に水をあげることのできる、少し心に余裕のある人になりましょう。花は生活のバロメーターになるのではないでしょうか。周りの花が枯れない生活を送る人は、愛情を多く持った人だと思います。心に余裕があれば他人にも優しくなれるものです。こういうの、良い循環ですね。捉え方はそれぞれですが、假屋崎さんも展覧会を通して、多くの方々に愛を与えていると思います。
私ごとで恐縮ですが、是非今度、和菓子とお花をコラボした展覧会を見てみたいです。先日、和菓子でできたお花を拝見しまして、大変驚いたからです。可能なら、その展覧会を一通り見終わった後、和菓子とお茶を堪能できるカフェが接続されていたらお花についての話にも尚、“花が咲く”のではないかと思います(笑)。おそまつ。

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世界は変わる、ほんの一瞬で。

ネタバレ注意!!

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photo copyrighted by 2008 Kimmel Distribution, LLC.

10月31日、東京国際映画祭の終日にあたる日に、シネマート六本木に『神の子どもたちはみな踊る』を観に行った。見終わった後、なかなか面白かったなと思った私は、友人に感想をきく。「主題は何だったのかなぁ。」と言われた私は心配になり、私なりの解釈で説明をした。それでも心配になった私は、他にも誘った友人達にも感想をきいてみたが、皆恥ずかしげに「掴みどころがない雰囲気が良かった。それゆえ感想を説明しづらいなぁ。」と言っていた。

そうだ…これは村上春樹原作の映画だと気が付いた。村上節のきいた作品を映画にするのはさぞ難しかったであろう。監督ロバート・ログバルは、原作と自分の幼少期を重ね、似ていることに関心を持ち映画化に持ち込んだという。今作品にはディヴィット・リンチ映画の制作スタッフやキャストが多く関わっているため、あの不思議な雰囲気が出ているのも無理はないと感じた。村上春樹の『ノルウェイの森』も映画化され今年12月公開が決っているのもあり、また村上ブームが全国、いや全世界で起きそうだと心躍る。私の英国時代からの友人クリスは文学を学んでいるが、やはり村上ファンである。自分の誕生日がちょうどサリン地下鉄事件と同じ日なため、村上春樹の書いた「アンダーグラウンド」に感嘆していた。クリスは村上春樹の秘書(当時)とも友人であるときいている。世間は狭いものだ。

ストーリーはなんとも面白い設定で始まる。主人公はジェイソン・リュウ演じるケンゴであるが、日本語名を持った彼の母親は中国人であり、住まいは韓国タウンにあるという。一瞬頭が狂う設定だが、面白い。ジェイソンはNY大学芸術学部で学び、そこで教鞭を取りつつも世界中で舞台出演、演出家や戯曲作家としても幅広く活躍をしている。来年1月にはガス・ヴァン・サントの『Restless』で映画脚本家デビューする期待の星だ。物語に戻ると、そのケンゴの母親がくせものだ。イヴリン役のジョアン・チェンは過去、『ツイン・ピークス』にも出演していて、ウォン・カー・ワイ作品でのマギー・チャン並みの存在感を醸し出してる。冒頭から妖艶な姿で、まるでケンゴの彼女かのようにまとわりつく。それをなんとか払うかのようにケンゴは、本物のガールフレンドのサンドラとセックスを重ね、マスターベーションに勤しむ毎日。サンドラ役のソニア・キンスキーは、『パリ・テキサス』で圧倒的な印象を残しているナターシャ・キンスキーの娘さんである。うーん、上目遣いの視線が母娘ともよく似ている。もちろん、あっぱれなパーフェクトボディもご披露していますよ。

結婚をせびるサンドラに対してケンゴは、「僕は神の子だから…」という理由で断り続ける。宗教活動に熱心なイヴリンにそう育てられたが、未だ息子を解き放てないでいる弱さを持った母親を放っておけない彼もいる。もう一人イヴリンを放っておけない男がいる。ケンゴの職場の上司グレンだ。病から自分の命が尽きていくのを悟った彼は、昔からイヴリンに恋心を抱いていたことを告白する。優しいグレンは、多くは語らずとも、そっと背後から彼らをまるで父親のように包み込む。

そう、この物語の登場人物は皆、少しずつ何かが欠けているのだ。人間なら誰しも欠けて生まれてきて当然だと思う。初めから完璧な人間なら、生まれてきてもこの世で学ぶことなど何も無くなってしまう。その“欠如”が、人の“個性”となるのだ。パズルのように欠けた者同士が重なり合い、補い合ってこそ、初めて“丸”に近ずくのだ。恋人だって、会社だって、家族だって。綺麗な“丸”でなくてもいい、いびつであっても在るがままで良いのだ。

そんなある日、ケンゴは片耳が欠けた男性に出くわす。一心不乱に彼をストークする。以前、イヴリンに彼の父親像を聞き出していたいたからだ。薄暗い道をどこまでも追い続ける。しかし彼を見失った先に出た場所は、ただのガランとした空き地だった。唖然とするケンゴが次に取った行動とは、“ダンス”だった。スポットライトのような外灯の中、足を上下させ力強く踊る。まるで、彼の父親の不在の生い立ちや、曖昧な恋人との関係、不安定な母親との生活など、地に足が着いていなかった彼の不安定さを全てを地固めするかのように…。

踊り狂った後の彼は全てを受けとめ、少し自信を得たかのように皆の元に戻る。彼が変わったのか、それとも世界が変わったのか。部屋ではイヴリンがグレンを看病している。帰宅した彼はすぐに、待ち構えていた恋人サンドラのもとにかけより「愛してる」と告げる。部屋や家というのは、哲学上、母親の子宮と例えられることがしばしある。映画冒頭のケンゴの部屋はまさしくイヴリンの子宮の中で、その中で育つケンゴは赤ん坊のようだった。ラストに皆が揃った部屋では、カメラが頭上から全員をうつし、まるで離れていたパズルのピース達が上手く重なり、真ん丸に収まったかのようだった。“家族”という概念を言葉無しにイメージ化したような一瞬だった。そしてカメラは、そのまま窓から外へ抜け、真ん丸の満月をうつして映画が終わる。

『神の子どもたちはみな踊る』
絶賛公開中!!
公式サイト:
www.kaminoko-movie.com

2010年度東京国際映画際 『聖トニの誘惑』に私の方が誘惑され…

2010年東京国際映画祭でサクラ・グランプリに選ばれた作品は、イスラエルの監督、ニル・ベルグマンの『僕の心の奥の文法』だったが、私の中では『聖トニの誘惑』に密かな期待をしていた。全ての作品を見たわけではないが、あの作品は衝撃的だった。たとえ主題が読み取れない者でも、画で楽しめてしまうところもあるだろう。「ミドルクラスの男が沼地で手首を拾い…」という1行の説明文だけで、この映画は私の心を掴んで離さなかった。予告編を見てみると、この映画には他とは異なるなにかがあるという勘が働いた。

聖トニの誘惑
photo copyrighted by Homeless Bob Production

『聖トニの誘惑』は、エストニアが65%、スウェーデンが21%、フィンランドが14%の合作映画だ。監督のヴェイコ・オウンプー(Veiko Õunpuu)はかつて、画家であり、エッセイスト、プロデューサー、そしてヘヴィメタルのギタリストと幅広く活躍しており、長編2作目となる今作が、独特な世界を醸し出しているのも納得がいく。彼の1作目は、『Autumn Ball』(2007)で、15個以上の賞を取った作品である。例えば、その年のヴェネチア国際映画祭では、Orizzonti賞を。同年、エストニア・タリンでのブラックナイツ映画祭では6つの賞を受賞している。更にその翌年にはカンヌ国際映画祭で、今回の『聖トニの誘惑』の脚本に対して、European Talent Awardを獲得していた。

私は映画を見る際、まず何も情報を得ずに直感だけを頼りにして映画を楽しむことを大事にしている。ストーリーもなるべく知らずにとにかく見る。全ての映画に単純明快なストーリーがあるとも限らない。映画はテレビじゃない。映画はアートだ。五感を研ぎすまして純粋に見てみる。たまには第6感・シックスセンスも必要になる作品もあるだろう(笑)。他人の情報を先に知ってしまうと先入観が少なからず出てきてしまうものだ。純粋に見る事ができなくなる。ちまたの映画レビューも面白いが、それに流されてしまう人は、要注意である。まずは自分がどう思い、感じたかが大事なのだ。観賞後に、情報を得たらもっと勉強になるはずである。気になる映画だったら再度観に行くようにすれば2度3度楽しめる。今回も私は、この『聖トニの誘惑』をまず純粋に見てみた。

冒頭、主人公のトニの父親の葬式の参列に、車が突っ込んでくるところから始まるが、この映画はブラックヒューモアをちょこちょこと小出しに出してくる。その控えめな笑いがたまらない。トニと友人達が楽しく食卓を囲む中、乞食が物欲しそうに窓から顔を覗かしてくるシーンの“オチ”も笑った。

私は、鑑賞中に何度かニヤニヤがとまらなく、思わず上着で顔を隠した。
劇中の画のところどころで、他の映画が思い起こされる場面が何度かあったからだ。オマージュなのか?偶然か?監督がそれらの影響を受けたことは間違いないと勝手に妄想した。
手首を拾うシーンは自分が期待した通り、ルイス•ブニュエルとサルバドール・ダリによる1928年のシュールレアリズム映画『アンダルシアの犬』が思い起こされた。あの映画は大好きだ。物語がと説明している場合ではない、画が衝撃的なのだ。さすがダリというしかない。劇中、トニが気になる女のナデージダのために踏み入ったクラブの名は、偶然にもブニュエルの代表作と同じ「黄金時代」(das goldene zeitalter)だった。フェリーニっぽい感じを見せつつも、後半になると、まるで『ツイン・ピークス』や『インランド・エンパイヤ』、はたまた『ブルー・ベルベット』など、ディヴィッド・リンチ並みな妖しさに画面全体が包まれていく。よく使われるあの主題歌も、日本人なら椎名林檎の「罪と罰」に聞こえてくるほど、私は画面の雰囲気に飲み込まれていった。ラストのカニバリズムも、グロイというよりか、私には『悪魔のいけにえ』のように美しく見えた。あの映画はホラーだが、ラストのチェーンソーを振り上げるシーンはビンセント・ギャロの映画みたいに美しい。逆光に映える殺人鬼…のような。主題を理解してこそだが。

物語はというと、工場長であるトニが、父親の葬儀後に森で手首を拾ったところから彼の受難の日々が始まる。様々な物を失っていくトニ。父親、仕事、妻、少女ナデージダ、そして現実までも…。
主題は、“良い人”であることは可能なのかということ。それ自体の意味はあるのか。
アナーキカルな映像の流れの中で、“天使”のようなトニが“人間”へと没落していく。悪魔か何かからの誘惑から逃れようとする彼を待ち受けているのは「天国」か「地獄」か。イタリアのダンテの詩「神曲」とリンクしていることが読め、3部作からなる神曲の地獄編ととるならば、あの少女ナデージダは、ダンテに対するベアトリーチェではなかろうか。「永遠の淑女」としてキリスト教神学を象徴させるものかもしれないし、劇中のシンボルには様々な意味があるのだろう。あの森の中の手首だって、地獄界からかもしれないと考えると、あの沼地一帯はちょうど、あの世との境目であり、三途の川にあたるところになる。いわば、地獄の入り口といえよう。「神曲」同様、この映画も9部に構成されており、最後の地獄として氷の世界である、第9圏―裏切者の地獄―までちゃんと、監督オウンプー節で描かれていた。黄金時代と呼ばれるクラブは、人間界の楽園なのか、欲がウジャウジャしている。「神曲」を引用したヴェイコ・オウンプー監督のこの世界を、独特のブラック・ヒューモアとともにあなたは理解できるか。そして、主人公トニのラストの行いにあなたは何を思うか。一見の価値あり。私はもう一度見て分析を深めたい。

公式HP:
『聖トニの誘惑』
http://www.thetemptationofsttony.com/

東京国際映画祭開幕! 「ジャック 船に乗る」

いよいよ始まりました東京国際映画祭。今年も、鳴り物入りの「コンペティション」から、人と自然をテーマに集められた「natural TUFF」まで興味深い新作、話題作がいろいろです。
タカノテルミ師ほかスタッフは、連日各上映会場を飛び回りつつ、年に一度顔を合わせる関係者の皆様との情報交換にも大忙しですから、不肖私めがお先にレポート失礼させていただきます。

話題作ながら日本公開未定という作品を集めた「WORLD CINEMA」の中から、24日(日)に見てきたのは『ジャック、舟に乗る』です。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=159
監督・主演ともフィリップ・シーモア・ホフマン。以前見た『パイレーツ・ロック』でも海の上だったので、当初、このタイトルを見た私の脳内では、すっかりフィリップ・シーモア=陽気な船乗り。
しかしこの映画の「舟」というのは、公園の手こぎボートなんです。

40歳すぎてひょっとして恋愛未経験?みたいな、イケてない2人をくっつけようと、イケてる大人な雰囲気の夫婦がいろいろサポートしてあげる。公園でボートに乗りたいというコニー、でもフィリップ・シーモア演ずるジャックは泳げない。そこで泳ぎを教えてあげたり、彼女のための手料理を覚える算段をつけてくれたり。
でも、その2人がぎこちなくも徐々に親しくなっていくのに対して、夫婦のほうは、性的にとても深刻な問題を抱えていることが明らかになってきます。

結局、恋愛ってうまいとかヘタとか、かっこいいとかお洒落とかじゃない。世間から見てイケてなくても、たった一人の人と寄り添って生きることができたらすごく幸せだし、一番豊かな愛の形なんじゃないか。
40代には40代の恋愛。
50代には50代の恋愛。
いつから始めても遅いことはないし、いつだって、小細工や駆け引きなしに、純粋に相手を思うことが大切なんだよね・・・ってしみじみ思える。これはきっと、フィリップ・シーモア・ホフマンの愛嬌たっぷり(脂肪もたっぷり)の微笑みの成せるワザなんでしょうけれど、温かさが心に残る作品でした。

それにしても、大人社会の恋愛で避けて通れないのは、セックスの問題。ジャックとの初ベッドシーンでのコニーのセリフなどは、そのものずばりのテーマで話題のNHKドラマ「セカンドバージン」での鈴木京香さんがちょっとカブります。
アメリカでは、貧困層の増大が孤独な独身男女の増加を生んでいるのでしょうか。日本のセックスレス事情とはまた背景がちがうとは思いつつ、コニーの草食系っぷりには、なんとなく安心感とかわいらしさを感じる女性も多いのではないかしら。

『ジャック、舟に乗る』10月28日にも上映あり。
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=159
東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/ja/

「シングルマン」死さえもデザインするトム・フォードの美意識


仕事とか日々訪れる雑務とか、しなければならないことがたくさんあるから
自分をきちんと見せなければならないから
大人になると、大切な人を失ってもなかなかその哀しみに浸っている時間がない。
それで何とか紛らわしていけるようなんだけど
何かの拍子にふと、どん底に引きずり戻され
やっぱり自分は何も立ち直っていないなと感じてしまう。
死別だけでなく、それ以外の別れでも、そういうことってあるでしょう。

この映画は、冒頭からそういう切ない記憶を引き出してくれて
美しい美しい映像と音楽で、静謐な時間にたっぷり浸らせてくれます。

16年も暮らしたパートナーを突然失った男が、その死から8ヶ月たち、
孤独な人生にけりを付けるべく、死の準備を整えていく。
「ウィンザーノットで」とネクタイの結び方まで指示して死に装束のスーツを並べ、
よく気がつくお手伝いさんにはパンの袋に謝礼を準備。
そういう、中年男性の最期の1日、
まさに夜明けから夜明けまでの24時間を描いた映画なんです。

内装やインテリアの一つ一つが素晴らしい。
お手伝いさんあての封筒、鉛筆削りなんていう小物までセンス抜群。
シモネタから学生への講義まで、どの言葉も端正でシャープで。

何が美しいって、まあ確かに、男性は毛穴まで美しいです。どアップ。
これはまさに、監督の「男性」という生きものへの愛情なんだなあと感心します。
美学という点でも、ヴィスコンティの『ベニスに死す』と重なり合って感じられました。

だからといって、試写会が「独身男性限定」だったとかって、実に大きな疑問です。
大人の女性が好むのは、メリル・ストリープがどたばたする映画ばっかりじゃないでしょ。
しかも、都内で上映してるのは3館だけですもんね。
コリン・ファースのアカデミー賞主演男優賞ノミネートがもったいない限りです。

どーでもいい上にネタバレ?かもしれないけど
主人公が心臓発作を起こすシーンで、一瞬、腕や肩を押さえるんです。
日本のドラマや映画だと、たいていこういう時は、右手で左胸を押さえてばったり倒れるでしょう。
心臓→左胸が痛いはず、というステレオタイプなんですよね。
実際に、心筋梗塞などは、心臓のある左胸よりも、まず腕の付け根や胃、首(のど)の痛みとして
感じられることが多いといいます。
さすが、リアリティ追求したコリン・ファースの演技っていうか。
ここを読んでいる方々も、たびたび胃の痛みがあって胃の検査をしても
何も異常がない時は、一度、循環器も疑ってみるといいかもしれません(?)。


「シングルマン(A single man)」
http://singleman.gaga.ne.jp/


今回からメンバーになりました。

今回からメンバーになりました。

東京都出身。
中央大学卒業後、
パソコン雑誌編集等を経て
医療・健康系などの
実用書ライターとして十数年、ただ今も呻吟中。
映画は夢、人生のエッセンス。
次は何を見ようかという
選択基準に「美しさ」はかかせないと思いつつ、
ナニゲに病理を探ってしまう悪癖もあるかも。
医学的論拠を越え、映画も薬になるとしたら、
その線引きを探りたい気持ちも秘め、
映画と接する日々です。よろしく。

ついに、キヨスクにも!ホイチョイ漫画にも!

いや、本当にビックリ!10月に入り、あの暑さはどうしちゃったのって????していたら、
知り合いから速報電話があり、シャネル本が東急東横線の各駅のtoks(キヨスクの東急版)で
売られていると。やはり話題本だから置いてくれているんだろうな・・・。

chanel_book@toks

ついでに、こちらもびっくり。

“今話題”を取り込む速さではあらゆるジャンルでダントツのホイチョイプロの漫画
「気まぐれコンセプト」(ビックコミック掲載、私が赤ん坊の頃から続いているそうな!!!)
でも登場!!
あのミリオンセラー『もしドラ』と並んでネタにされているとは・・・嬉しいな嬉ちいな。

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kimagure02

続編も大反響!あそこにも、ここにも・・・

シャネル本店頭展開1

『女を磨くココ・シャネルの言葉』(マガジンハウス)についで、半年足らずで早くも『続 女を磨くココ・シャネルの言葉』を執筆、配本が7月8日に始まりました。著者野てるみは、発売1月後の5日に主要な書店へご挨拶に伺いました。都内の7店の書店(リブロ池袋本店/紀伊国屋書店 新宿本店/ブックファースト ルミネ新宿2店/有隣堂(YURINDO)アトレ恵比寿店/渋谷TSUTAYA(6F 書籍)/ブックファースト 渋谷文化村通り店/リブロブックス(渋谷パルコパート1のB1F)を回りました。(“7000歩”を制覇!)

シャネル本店頭展開2


20代から30代の女性達の目に付く場所に置いて下さっていて、ご担当者の方々もしっかりとフォローしてくださっていました。店頭では前作本は5刷が並んでいました。

シャネル本店頭展開3
売り場での著者野てるみ

がっつり質問・・・のはずが@SKIPシティ国際Dシネマ映画祭

今年で7回目を迎えるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭と
巴里映画シネマスクールの協力で実現した
「映画ライター養成講座 特別講座・実施体験レクチャー」に参加しました。
(詳しくはまつかわゆま先生の記事をどうぞ)

来日する監督にインタビューし記事を書く、という超実践的な企画。
企業取材でインタビューの経験はあったものの、
映画に関しては5月のカンヌがデビューだったヒヨっ子なので(それも凄いですが)。
「とりあえず場数を踏むべ!」と勇んで受講したのであります。

カンヌではこともあろうか「香港人」として(→コチラ)
英語ネイティブの記者もいるグループ取材にポイッと放り込まれた私。
なーんと今回は!
1対1。しかも・・・
拙者らのために専属の通訳さんが一時間弱もつきっきりで
お世話くださったのでござる!!(←興奮)
贅沢~。
事務局の方、ほんとうにありがとうございました♪

とっと。肝心の話が抜けていました。
インタビューさせていただいたのは、
このたび見事、審査員特別賞を受賞したナデール・T・ホマユン監督。
フランスを拠点とするイラン人監督です。
出品作は、現在のイランにはびこる人身売買、麻薬取引、売春など
社会問題を散りばめながら、イランという貧しい国で生き抜く人々の
姿をリアルに描いた作品、『テヘラン』。
ご自身もイラン革命(1979年)を経て、父親が投獄されるなど
辛い時期を体験されたという監督の、
弱者に寄り添っていきたいという強い意志が垣間見られる力強い映画です。

ホマユン監督、非常に理路整然と、水が流れるようにお話される方。
インタビューなのに、インタビュアーが質問する隙を与えない!
どんどん面白いお話をしてくださるので、
このまま座ってるだけでも十二分に材料が得られるのでは?と
途中良からぬ考えが頭をよぎったりして・・・。
もちろん、相手が息をつく隙を狙って(?!)その時伺いたいことは聞きましたが、
後になって「ああ、あれも、これも・・・」と“抜け”が見つかり後悔することしきり。
いやはや。何事も経験ですね。
やってみて初めて学ぶことが多いですから。

監督が語ってくれた濃密なエッセンスを私なりに抽出した記事が、
近く映画祭ホームページにアップされる予定です。
前途洋々のホマユン監督と、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭を
今後ともどうぞよろしくお願いします!
映画祭ホームページ 

ホマユン監督と新田_320
監督と記念写真。ちょっと強面の風貌ですが、腹ペコの通訳さんや私に
小さなチョコを配ってくれた姿はなんとも可愛らしかった(失礼!)のであります。


埼玉県川口市にあるSKIPシティ。
最寄の鉄道駅から、さらにバスを利用して・・・と
若干交通は不便なのですが、
映画祭でなくとも、一度は足を運んでみるべし!
敷地内にある「映像ミュージアム」は必見。
「映画は一体どうやってつくられるのか」を非常に分かりやすく、
参観者も体験できる形で展示しています。
『アバター』大ヒットでにわかに注目を浴びたモーションキャプチャー
(人や物の動きをデジタル的に記録する技術)の体験コーナーもあります。
自分の動きがそのまま映像化される体験はなかなかできません。
ただ、軽く踊ることを要求されるのでシャイなおひとり様には不向きかも?

『続・女を磨く ココ・シャネルの言葉』


『続・女を磨くココ・シャネルの言葉』

巴里映画代表野てるみの著作本
『女を磨く ココ・シャネルの言葉』(マガジンハウス刊、2010年1月28日発売)
がおかげさまで好評につき重版が続き、
続編が本日7月8日に発売されました!

めげない、羨まない、恨まない。を実践した
ココ・シャネルの生き方を今に伝える第二弾です。

新宿の紀伊国屋本店などなど、
大手書店さんの店頭でも、
どーんと展開していただいています。

書店でみかけましたら、
ぜひお手にとっていただけると嬉しい限りです!

もちろんAmazonでも購入できます。

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THE WALKER

初めて投稿させていただいております。
名前の通り、現在美容学校に通っている身なんですが、学生なのでお金の問題と
戦いながら、趣味のほうも継続がんばっています!!爆

今回見た映画は「THE WAKER」。

thewalker_flyer.jpg

上映も最終の時間だったので、
あまり調べていないにも関わらずとりあえず見た、というのが本音です。

最初は、アクションなシーンからはじまったので、アクション系の激しいものだ
と思いました。←

ですが、ストーリーをたどっていくと単なるアクションムービーではないと感じ
始めました!

・・・主人公はある1冊の古い本を大事に大事に西を目指してひたすら歩くのです。
戦争でかつての風景はみじんも残らない道を。

この映画からは
人間の存在価値への真意を問う何かが感じられます。
今の世の中、
自分のことだけを考えている人や相手に勝ることだけをやりがいとしてる人がた
くさんいますが・・・

人間大事なのは『人に尽くすこと。』

この言葉が出た時、はっとしました。

自分は普段どれだけ人のために尽くせているかな。

『ありがとう。』は何回言われたかな。

一人で映画を見に行ったのは、実は初めてでしたが、←
タイトルエンドまでぼーぅっと考えていました・・・。

どきどきやわくわくというより、「はっ」とさせてくれる映画だと思います。

ぜひもっとたくさんの映画を観て普段は感じない『ナにか』を感じていけたらい
いと思いました。

SKIP シティ国際 D シネマ映画祭

今年で7回目になるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭

デジタルに特化した映画祭としてはパイオニア的な存在である。
年々応募作も増え、今年は長編が85か国から578本と国内から70本、
日本国内作品に限る短編は162本の応募があった。

この応募作の中から一次審査を経て
長編13本、短編10本が上映される。
コンペティション形式の映画祭なので、
長編・短編ともに最優秀作品賞各一作品、
長編は監督賞・脚本賞・審査員特別賞、
短編は奨励賞2本が賞金つきで選ばれる。

賞金はつかないものの映像制作支援施設である
SKIPシティの施設や撮影機材を
無償で一定期間使用できるという特典を与える
SKIP シティ・アワードも長・短編
それぞれ1本出る事になっている。

昨日開かれた記者発表では、
審査員の紹介、上映作品の紹介、などが行われたが、
例年より記者の数も増し、
この映画祭が定着してきたことと
注目されてきたことがしめされた。

SKIPCITY_400.jpg
記者会見での一枚

私も今年は短編の一次審査に加わったが、
力作揃いであった。
長編の国内応募数もほぼ倍増したということで、
若い映画作家志望者の増加が感じられ心強かった。
7月30日の短編グループ2の上映には
Q&AのMCを担当することになっているので楽しみである。

このようにSKIPシティ国際Dシネマ映画祭が
注目されてきたのには理由がある。
この映画祭は若手映画作家の
育成・支援を目的の一つにあげており、
今までの受賞者からは先ごろ公開され
アメリカアカデミー賞でも話題になった
『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ監督など
目覚ましい活躍をする人も現れている。

アジアでも、昨年の長編部門最優秀賞受賞作品
『あなたなしでは生きていけない』は
09年度の台湾ゴールデンホースアワードで
作品・監督・脚本の三賞を受賞している。

短編部門の『太陽の石』、『電信柱エレミの恋』
も大活躍をしている。
映画祭にとって若い作家たちの
ジャンプ・ボードになれる事は名誉である。

応募作品の増加は、そんなジャンプ・ボードとして
SKIPシティ映画祭が若手の映画作家志願者たちに
認知されてきたことに他ならない。

観客としてはそんな新しい潮流を作っていく
作家たちの誕生を見守るのが楽しみだ。

今年の日程は7月23日から8月1日。
埼玉県川口市青木町のスキップシティを会場に開催される。
JR京浜東北線川口駅からシャトルバスも運行されている。

今年、新しい試みとして、
巴里映画シネマスクールと映画祭が協力し、
映画祭のゲストとして来日する監督たちに
インタビューして記事を書きウェブサイトで
発表するという企画を立ち上げた。

映画は作っただけではまだ”映画”ではない。
観客がいてのアート、なのである。
そして作品と観客をつなぐものとして
批評家やライター、ジャーナリストが必要だ。
そんな仲介役になってみる疑似体験ができるのが
この企画なのである。
挑戦してみてはいかがだろう。

「映画ライター養成講座 特別講座・実施体験レクチャー」

フランスで香港人になる。ぱんだ的カンヌ日記④

映画祭が終わってから随分たってしまいましたが、
最後に得意の自虐ネタ(?)をひとつ。

我々が欧米人を「どこそこの国の人」と具体的に
区別できないのと同様、フランスでも日本人、中国人、韓国人は
基本的に一緒くたにされてしまいがち。

ま、「いかにも」な雰囲気をお持ちの方は違うのでしょうが。

私は残念ながら、中国に行けば中国人、ベトナムに行けばベトナム人、
日本にいても「沖縄の人ですか?」と出身を尋ねられるという、
いわゆる“典型的な日本人顔”ではないようなのです。
で、シャルル・ドゴール空港に到着後すぐ、
すれ違った清掃員グループから「ニーハオ!」と声をかけられ、
「フランスよ、お前もか!」とワタクシのアイデンティティーは
小さな音をたてて崩れ落ちたのであります。

しかーし、しかし
先に書いたカンヌのプレス登録ではさらに「え!」な事態に。
差し出されたプレスパス。
よーく見ると。


cannes pass 01

おやっ?

cannes pass 02

えっ?!わたし、香港の人??

戦慄。いや、失礼、唖然。
よくよく考えれば、申請した媒体の拠点が香港にあったため、
国籍よりそちらが重視されるのは当然といえば当然なんですけど。

ということで、カンヌ会場にて私はすっかり「香港人」という
ことになってしまいました。

パレに入る人をセキュリティーチェックする“ムッシュ”のなかに、
各国の挨拶言葉を覚えてひとりひとり声をかけてくれた
お茶目な方がいらっしゃったのですが、
私が行くとパスを一目見るや「請(チン。プリーズの意味)」と
中国語にて笑顔で誘導くださいました……。複雑……。
そこで「私は日本人です」と、
己の“正体”や“香港人になった”経緯をいちいち説明する時間もなければ、
彼らにとって私が日本人だろうが香港人だろうが
きっとまったくどうでもよいことなので、
開き直ってカンヌで私は、香港人として生きることを決意(?)。
幸い中国語ができるし(←そういう問題じゃあないが)、
少しの口惜しさはあるものの(←海外に出ると、
日本人としての意識が不思議と高まるじゃないですか)、
笑顔で香港人、ないし中国人として接遇されることにしたのでした。

で、前に書いた記者会見での中華圏のプレスのマナーの悪さは
余計に気になったわけです。
だって私もその「一員」だと思われてるんですもの。
利点といえば、中国・香港あたりの映画担当のライターさんは
他国と比べてぐっと年齢層が低く、
おそらくあちらでは、映画情報はメディアの中でも
花形の部類に入るのでしょうね。
お洒落で華やかな方が多かったので、
彼女らと一緒にされるのは悪い気がしないことでしょうか。

また、「格付け」がお好きなフランスの方々。
どうしても、アジア人の中でも日本人に比べて
中国系の人の扱いがよろしくない様子で、
恐らく華人に見られたであろう私は、
レストランなどでなかな注文をとってもらえない等、
若干の辛酸をなめました。
くそ~!!

なんだか愚痴っぽくなってしまってスミマセン。
しかし、やはり日本人である以上、
いつかは日の丸をつけてカンヌに乗り込みたいですね~。
(なんだ、この右翼的発言は・・・)
やはりやはり、カンヌ国際映画祭、今後も続けて参上せねばならぬようです。

ぱんだ的カンヌ日記③

今回は、記者会見の様子についてお話します。

パレの中にあるプレス向け記者会見場で行われますが、
この入場もやはり、例のランクによって、優先順位が異なります。
なので「イエローパス」ですと、絶対入りたい作品の会見には、
30分前には到着して、また並びます。
何はともあれ、並びます。

今回コンペティション部門唯一の中国語映画となった
中国のワン・シャオシュワイ監督『重慶ブルース』(原題:Rizhao ChongQing)。
その記者会見に行って来ました。

日照重慶_400
ワン監督(左2)と、中国の人気女優ファン・ビンビン(左1)らが出席

基本的に、中国映画の会見場を占めるのは、大部分が中国メディアです。
欧米のメディアはごく少数。
映画自体が、中国中部の地方都市を舞台にした
起伏の少ない静かな作品だったことも手伝ってか、
余計に少ない気がしました。
ハリウッド映画でもない限り、超満員になるのは稀だとか。
やはりカンヌでも米国映画、強いです。

会見で驚いたのは、海外メディアのマナーの悪いこと!
(先に「ほとんどが中国メディア」と言ってしまったので、
ピンポイント攻撃してる形になっておりますが・・・)
仲間うちでの私語にふける、席を移動しまくってしゃべる、
携帯電話は鳴る、鳴る・・・。
ほかの会見も同様かと思い、後日、韓国のイム・サンス監督作『下女』の
記者会見にも参加したらそれほど悪くもなかったので、
この日は特別ひどかったのでしょう。

同国メディアが集まったせいで気が緩んだのでしょうが、
こういった国際映画祭への参加を通して、
“記者の姿・マナー”などのグローバル・スタンダードを
学ぶことも大切だと逆に教えられた気がします。

ぱんだ的カンヌ日記②

カンヌに着いたら、
早速、映画祭メイン会場の
パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ、
通称「パレ」へプレスパスの引き換えに向かいます。

レジスター待ち_400

パス引き換えの受付け入り口は、
到着したばかりの参加者で長い列ができております。

受付で登録確認書と引き換えに渡された、
生涯初のカンヌのプレスパスの色は「イエロー」。
これ、カンヌ的ランク付けの最下層なんです(泣)。

本当は「いやいや、一発目はこんなもんよ。上出来、上出来!」
と思ってるんですけど、
この後この色のために
時々ツライ目に遭わされることとなります。

プレスは上から白、ピンクに金の丸印付き、
ピンク、ブルー、イエローにランク分けされていて、
プレス用試写とはいえ、観るには上のランクの人が
優先的に通されていきます。
ゆえに、イエローを入れてくれるのは一番最後。

一番最初に並んでいても、
上の人たちが会場に納まりきるのを
見た後にしか入れてもらえないんですねー。

炎天下、開場45分前から並んだのに
「イエローさん」たちが切られてしまった
イム・サンス監督作「ホームメイド(下女)」の
上映の時は、本気で疲労困憊しましたよ・・・。
ああ、無情。

「これからまたちょっと何人か入れてくれるんじゃないか?」
と淡い期待を抱いて
しばらくみな並んだままでいるんですけど、
怒りもせずに「これがカンヌ」
と納得しているところが凄いですよね。

しかし思いました。
このような苦汁をなめて、
「次は一個上のパスを」と
毎年がんばっちゃうジャーナリストも多いんだろうな~。

パレ_400

こちらが劇場、会見場、プレスセンター、
マルシェ、カフェ・エリア等々が集まるメイン施設のパレ。
参加者は足繁くここへ通うことになります。
今年のポスターのモデルは
仏女優のジュリエット・ビノシュ。

映画の神がついている?! ぱんだ的カンヌ日記①

5月12日

寒い!寒いです!
パリのシャルル・ド・ゴール空港。
5月も半ばというのに摂氏5度です。
あまりの寒さに体が凍えて、
カンヌに向かうTGV(フランス版新幹線)に乗り込むとき、
足が伸びずにホームと車両の隙間にはまるかと思いました。
いや、本気で。

ということで、まだカンヌには着いていません。

ぱんだは社会主義国に長くいたので、
旧東欧諸国には興味を持ち、何カ国か旅行しているのですが、
フランス上陸は今回が初。
これまで飛行機もいろいろ乗り比べしてきましたが、
エール・フランスには初めて乗りました。

これから映画をいっぱい見るためカンヌへ行くわけですが、
機内上映される映画も新作、話題作がいっぱい。
これはあなどれません。
チェックせずにはおられません。
寝るのはあと。
で、カタログをチェックするとな~んと、
昨年から観たくて観たくて仕方ないけど見逃していた、
トム・フォード監督の“A Single Man”が見られるじゃないですか!
・・・なんかツイてるぞ。ちょっとこりゃ、なんかきてるぞ・・・。
ひとりで静かにテンションアップ。
機内食の前にサーブされるドリンクには
上空でコリン・ファースを拝めることへの祝いの意味を勝手にこめて
シャンパンをチョイスし(さすがエール・フランス。かなり美味!)、
若い男性の肢体にもったりとした熱視線を注ぐゲイの大学教授を
気品を持って演じるコリン様にも、同様に舌鼓を打ったのでした。

これぞ至福!映画の神が味方してる気がしてきたわ・・・。
TGVの車内も肌寒くて、窓の外の景色ももやがかって
イマイチぱっとしませんが、待ってろよカンヌ!
変にテンション高いときの私には良いことが起こるのだ!
・・・・・・しかし、なんじゃこの寒さは。

ムービープラス 「カンヌの魅力」に出演します

今年もカンヌ映画祭が始まります。
開会式まであと10日。カウントダウンやねぇ。

というわけで、CS放送のムービープラスが毎年カンヌの授賞式を中継するのに合わせてカンヌ映画祭特集を週五日づつ四回放送します。

ナビゲーターは別所哲也さん

タイトルは「カンヌの魅力」
…そのまんまやんけ

この番組のゲストとして映画評論家の岡田光由さんといっしょに喋りまくってきました。
「思った以上に面白かった」といわれ、放送が楽しみです。


№ 放送日 放送時刻 番組尺 番組名
開始 終了 サブタイトル
1 10/05/05 (水) 23:15 23:30 00゚15' カンヌの魅力:審査委員長ティム・バートンはこんなヒト!

2 10/05/10 (月) 18:45 19:00 00゚15' カンヌの魅力:審査委員長ティム・バートンはこんなヒト!

3 10/05/15 (土) 05:45 06:00 00゚15' カンヌの魅力:審査委員長ティム・バートンはこんなヒト!

4 10/05/18 (火) 15:45 16:00 00゚15' カンヌの魅力:審査委員長ティム・バートンはこんなヒト!

5 10/05/22 (土) 16:45 17:00 00゚15' カンヌの魅力:審査委員長ティム・バートンはこんなヒト!

6 10/05/08 (土) 15:30 15:45 00゚15' カンヌの魅力:15分でわかるパルム・ドールの歴史!

7 10/05/11 (火) 16:00 16:15 00゚15' カンヌの魅力:15分でわかるパルム・ドールの歴史!

8 10/05/16 (日) 13:45 14:00 00゚15' カンヌの魅力:15分でわかるパルム・ドールの歴史!

9 10/05/20 (木) 25:15 25:30 00゚15' カンヌの魅力:15分でわかるパルム・ドールの歴史!

10 10/05/23 (日) 15:15 15:30 00゚15' カンヌの魅力:15分でわかるパルム・ドールの歴史!

11 10/05/08 (土) 23:15 23:30 00゚15' カンヌの魅力:アジア勢の活躍

12 10/05/12 (水) 25:30 25:45 00゚15' カンヌの魅力:アジア勢の活躍

13 10/05/16 (日) 19:00 19:15 00゚15' カンヌの魅力:アジア勢の活躍

14 10/05/21 (金) 13:15 13:30 00゚15' カンヌの魅力:アジア勢の活躍

15 10/05/09 (日) 12:00 12:15 00゚15' カンヌの魅力:上映作品紹介

16 10/05/13 (木) 13:15 13:30 00゚15' カンヌの魅力:上映作品紹介

17 10/05/17 (月) 18:15 18:30 00゚15' カンヌの魅力:上映作品紹介

18 10/05/22 (土) 07:30 07:45 00゚15' カンヌの魅力:上映作品紹介

というオンエアです。
よろしかったら、見てください。

岡田さんが一緒だったからか、いつものまつかわそのまんま、ドレスを着ててもがらっぱちキャラ全開です。
エレガントな評論家にはなれませぬ。

『アリ地獄のような街』

先日、アップリンクで
『アリ地獄のような街』という
バングラデシュの映画を観ました。

この映画、バングラデシュでストリートチルドレンの
支援をしているエクマットラというNGO団体が、
バングラデシュの大都市ダッカで、
苦しんでいる子どもたちがたくさんいるということを、
たくさんの人に伝えたいという目的で作成したもの。

ストリートチルドレンが、
ドラッグの運び屋になったり、
大人に殺されたり、と
闇の部分だけ強調してはいるけども、
それがダッカの現状の一部であることは
確かなのだそうです。

でも、大人に殴られながらも、
なんとか稼ごうとする子どもの姿には、
かわいそうというより、
たくましさを感じました。

それは、この映画を作った人たちが、
子どもたちを単に「かわいそう」と
思っているからではないから、だと思います。
彼らの苦労や、たくましさを知っているからこそ、
こういった描き方になったいるのではないかな、と。

鑑賞料の一部は、
子どもたちの支援のために寄付されるそうです。
詳細は映画公式HPを参照くださいませ。
『アリ地獄のような街』


私が行った日は、
その支援団体の顧問をしている、
渡辺大樹さんという若い男性が
上映後にトーク。
その熱い、いい話に、じわっときました。

じつはこの映画、巴里映画CINEMA SCHOOLの
「一日でわかる映画配給・宣伝講座」を受講してくださった、
関根さんという方が配給、宣伝を行っている映画。

そういったつながりもあり、
ぜひとも応援したい映画です。

ただいま、渋谷のアップリンクにて公開中。
GWにでも、ぜひ、足を運んでみてください。

桃の便り

先日、「信玄桃」を形どった、
かわいいお菓子を甲府土産にいただきました。

発送用の桃を再現したパッケージ。
もったいなくて、
なかなか開けられませんでした(笑)

shingenmomo.jpg


箱をあけると、こんな感じ。
p4150079_convert_20100424212626.jpg

中身も忠実に再現されていて、好感度大。(笑)

お味の方も、しっとり上品で、
美味しかったです。

甲府では、桃と菜の花が咲き乱れて、
目の前がピンクと黄色!という風景が
見られる場所もあるんだとか。

ちょうど、先月の「Hanako」銀座特集の
「Tokyo休日案内」というページでも、
甲府の桃が紹介されていました。

ちなみに、こんな風景だそうで。
すてきだ~

0409kokubu_1.jpg

この写真は、
こちらから拝借。
「ふえふき旬感ネット」

桃といえば、
今年は、もう終了してしまったのですが、
ここ数年、桃の季節に、
ユーロスペースにて、女性監督たちによる映画祭、
「桃まつり」が行われています。

私は、まだ行ったことがないのですが、
年々、話題になってきている様子。
今年は、行かれた方、いらっしゃいますか?

「桃まつり」HP

プロフィール

タカノ テルミ

Author:タカノ テルミ
シネマ・エステサロンへようこそ!
トラウマ映画は“マルセリーノ”
映画を仕事にして20年
見るもの聞くものが
すべてが映画につながってしまう
いわば、映画の語り部

映画と人生は切っても切れないもの。今日も映画によって元気になれる。笑ったり、泣いたり、癒やされたり。
そうしているうちに、幸せになれて、キレイになれて。
本当ですよ、映画パワー。
そんな映画力の効き目を
日夜お伝えしていくのが
このblog。
映画のプロたちが集まる
サロンでもあります。
いわば、そんな“シネマ・エステティシャン達”のお話に耳を傾けてくださいね。

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